この先ずっと生きている限り俺はお前を守る。中学の時そう言ったのを自分でも覚えている。俺って結局口だけになる事が多いよな。今でも十代目の右腕なんて言われてるが自分ではまったく自信がねぇ。そりゃ、右腕は俺のもんだとか威張ったりもしてるがあれはあーしねーと野球馬鹿とかに盗られちまうと思って必死だったんだよ。

携帯のメールを受信する音楽が聞こえ握っていたボールペンを机の上に転がす。

自室で沢山の書類に囲まれる生活はこれで何日目だ?十代目よりは少ねぇんだから文句は言わねぇが机に向かって黙々と書類整理をするのは性にあわねぇんだよな。早く終わらせようとこなしてるつもりなんだか減ってる気がしねぇ。ここ最近、任務がねーから体が鈍っちまってるぜ。トレーニングもサボってるし唯一動く事と言えば瓜を捕まえるために部屋を走りまわるくらいか。
そうだそうだ話を戻すとあいつを守ると言った事だ。あいつと言うのは花子の事で屁理屈ばかりほざいて負けん気が強くて変な奴だった。そんな花子を何から守るのかは不明なんだが俺はあの頃こいつは絶対傷つけさせないと意していた気がする。敵なんか嫌しないんだ。誰もあいつを傷つけようとはしないだろう。花子は少々性格がひねくれているが優しいから。だから俺はこいつを守りたいと思えたし十代目には悪いが他の誰よりも大切な人なんだ。そんなあいつを傷つけようとする奴等が現れたのは俺と一緒にいるからなんだ。俺が傍にいなければ花子は平凡に敵ができる事もなく生きていける。それに気づいたのが高校に入ってだなんて遅すぎるよな。3年間一緒に居たんだ。もうお互い離れるなんて考えらなかった。だけど俺はお前を守ると誓ったから花子の傍から離れた。守れる自信がなかったから逃げたんだと花子からしたら言い訳になるかもしれないがどう思われたって構わねぇ。あいつが普通の女として普通の男と所帯を持って生きていてくれればそれでいいんだ。この思いが通じなくても嫌われてもいいなんて綺麗事になっちまうがどんな形でもあいつを守りたかったんだ。

メールが来ていた事を思い出し3台あるうちの一つを弄る。


from:花子
sub:無題
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元気にしてる?私は今
日も元気だよ。獄寺は
調子どう?まだ机に這
いつくばってんの?私
はいまから会社の上司
とディナーに行ってく
る。めんどいけど。


これはあいつのためだけの携帯。離れると言ったが実際これでは意味がないかもしれねぇ。連絡手段はこれだけで会う事も電話する事もない。これもまた離れると言って口だけになってしまった。文のはじめは俺に気を使って絶対に自分が元気だとゆう事を知らせる文でその後は人を小馬鹿にしたようなもん。最終的に…俺達は会いたいんだ。本当は会いたくて抱きしめたくてしょうがないんだ。その事を伝えないのは俺もお前も生きている世界が違う事を嫌って程に分かってしまったから。


(あいつは守ってもらおうなんて思っちゃいねぇ
(そんなの俺が一番よく知ってんだよ)




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