いい歳こいた大人が公衆の面前であーんをやるのはありか?ありなのか?20代だからセーフなのか?アンケートとってきていいかな?それまで待っててとか俺にはそんな時間ないんだつーの!だって花子は既にケーキを一口サイズに切って俺に食べさす気満々だもん。これはアレだよ。イチャイチャしたかったんだろうな。屋敷じゃ獄寺くんとかに気を使ってできないもんね。俺だってほんとはしたいけど我慢してるんだよ?そんなとこリボーンに見られたら鉛玉が直ぐに飛んでくるからさ。だからって外でやることもないんじゃないかな?と花子に構ってあげられない俺が言う事でもないか。

「はい。ツナ」

「え、ああ」

「あーん」

考えろ考えるんだオレ。多寡がケーキじゃないか。すぐに食べて美味しいねって笑いかければ済むじゃないか。それじゃすまねーから悩んでるんだよ。くそっ。花子の場合俺にも効果音で「あーん」て言って口を開けてもらいたいんだから。で、その次に自分にもやってもらいたいなんて想像つくなあ。やべ、早く口をあけなきゃ花子が怪しがってきてる…笑顔が引きつらないように効果音つきで口を開ければそっとケーキが口の中に入ってきてそれをパクンと食べる。間接キスだーとか結婚した俺達が気にすることじゃないかー…気にしてたよ花子は。フォーク眺めて顔赤らめてるよ。俺が使ってるストローあげるからフォークをお持ち帰りしようとするのはやめなさい。
恥ずかしい。道行く人達に見られてる気がして恥ずかしい。今なら海に飛び込んで素手でサメと戦えるくらいだ。こーやって甘えるんだったらベットの中ででいいじゃん。なんでよりにもよって人前なの?何気シャイボーイなんだよまったく。ごめん嘘。ほんとは俺の嫁さん可愛いだろ!そこのじじぃ新聞読む振りしてチラみしてんじゃねーぞ。チューしてるとこ見せるぞコラぁって思ってます。

この際捨て身でいくか。どーせ誰も見てないよな。たまに2人で出かけたときくらいラブラブしたって別にいいじゃんね!いつも我慢してるんだからさ!

「はい!花子もあーん」

「あーん」

―バンッ パリーンッ

…俺が飲んでたグラス割れたね。残ってたアイスコーヒーがテーブルからポタポタと地面に落ちる様がまるで俺達のテンションみたいだ。口を開いたまま花子は固まっていてケーキを食べずに口を閉じると俺と一緒に何かが飛んできた方に首を動かす。

「リボーンくんはストーカー?」

「あいつ俺の事大好きだから」

何事もなかったかのように人ごみにまぎれて俺達を見るリボーンの顔は無表情だった。多分愛人とうまくいってないからあたってきてんだろうな。「死ね」と口を動かしたリボーンは何処かに向かっていった。雰囲気を壊すだけ壊していきやがったよあのヒットマン!


(何処も安心できないね)
(リア充ってつらいなー)
(花子それ屋敷に戻ったら絶対言っちゃだめだよ)
(あはは。言ったら殺されそう)






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