1人が寂しくないとかは嘘。
大勢の輪の中に居るのが疲れるのは本当。



俺は銃を撃ったこともないし、人を殺した事もないよ。
なんてったって平凡な人生を送る中学生だから。
これは本当であるけど嘘もまじってる。
だってリボーンが俺の前に現われてから俺は平凡な中学生じゃなくなったからだ。

「作り笑いが上手いツナ君おはよう」

「嘘泣きが上手な花子さんおはよう」

「ツナ君何か大っ嫌い」

「花子さん何か嫌いじゃないよ」

これが俺と花子の朝の会話。隣の席になってからはこの調子である。
花子とは本音で話せるから俺は彼女と話せる時間が好きだ。
だけど花子の嘘泣きは上手過ぎて嫌いなんだよね。
たとえばお弁当を床にひっくり返した時とか、体育で使う体操服を忘れた時、告白されて断るのが困難な時とか泣いてなんとかする。
女であることをとことん利用してる彼女はいいと思う。
けど、泣くとこ見ると胸が締め付けられるように苦しくなるから嫌なんだよ。
それを彼女に言うと「ツナは優しいからね」とあしらわれてしまった。

「俺って笑うの下手?」

「超上手いと思うよ。作り笑い選手権とかあったら一位になれるよ」

「褒められてる?それ喜んでいいの?」

「喜んどけば?」

「花子にとって俺はどんなヤツ?」

「人当たりがいい奴」

「それ、悪い意味だよね」

こくこくと首を縦にふる花子。
どうやら俺は相当嫌われてるようだ。
人に馬鹿にされて下に見られることはあるが嫌われた事はいままでなかった制か凄く傷ついた。
一生治らない怪我を負った気分だ。

「ツナはどうして私を嫌いじゃないの?」

「人当たりがいいからじゃない?」

「じゃ、ほんとは嫌いなんだ」

「嫌いじゃないよ」

好きでもないけど、そう呟いたら花子は「そうだろうね」とニコっと笑う。
お前が俺の何を知っている!って感じだ。

「私はね、ツナの作り笑いは嫌いだけど本音のツナはちょっと好きかな」

「いつも嫌いって言われてるからそう言われるとなんか照れるな」

「ちょっとドキっとしちゃったでしょ!」

「しないよ」

狙って言ったなら殴っていい?ほんとはめっちゃドキドキしてるんだけど。
凄く期待しちゃったんだけど!どーすんだよこの気持ち!

「やっぱ花子は好きになれない」

花子の顔を見てられなくて眼をそらした。
絶対に赤面してるよ!恥ずかしーっ
横から「意地っ張り」って聞こえたけど聞こえないフリ。


(本音を隠し過ぎて)
(嘘ばっかりついていた。)
(だから、作り笑いを見破られて)
(ムカついたから意地を張って見た)

(素直になったらきっと俺は俺じゃなくなるんだ)





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