(現パロ)
「海ー!」
「海デスー!!」
「アルティナちゃんも行くわよー!!」
「えっあっ、待ってくださいー!!」
わーっと浮き輪を持って真っ先に海へと駆けて行くのは案の定、フーカとデスコ、そして巻き込まれたアルティナ
海に入る前には体操をしなさい、と注意をしても聞こえていない。
はぁあ、と溜め息を吐けば隣のエミーゼルも溜め息を吐いていた。
『ごめんねエミーゼル……この海もエミーゼルが貸し切りにしてくれたから遊べるのにあの二人が…』
「…あぁ…いや別に……父上も喜んでたし」
『なら良いんだけど…』
やはりエミーゼルは優しい。そして可愛い。あと大人だ。
もうちょっとフーカ達はエミーゼルを見習った方が良いだろう。爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいだ。
『あれ、ヴァルバトーゼとフェンリッヒは?』
「フェンリッヒは分かんないけど、ヴァルバトーゼならあそこ」
指差された先にはパラソルの下で休むヴァルバトーゼ。なんてズルい
『一人だけパラソルの下だなんてズルいわねヴァルバトーゼ』
「ふん、日の光に弱いのでな」
確かに、ヴァルバトーゼの肌は成人男性とは思えないほどに白い。
透き通るような、と言うよりは単に病弱に見える
「そういう貴様らは海には入らないのか」
「ボクは別にどっちでも……」
『私ちょっと休んでからー。そういやフェンリッヒは?』
「あぁ、フェンリッヒなら何か飯を買いに行ってくれている」
『……へー』
大丈夫なのだろうか、アイツは中身はヴァルバトーゼ馬鹿だけど見た目は特別に良い。逆ナンなんてフェンリッヒなら一喝だろうが。
面倒くさいことにならなければ良いのだけど。
そういえば、フーカ達が一緒とは言えアルティナも大丈夫なんだろうか。あの子は見た目も中身も良い。そして胸が大きい。そして胸が大きい。
『……』
「な、なんでいきなり落ち込んでんの!?」
アルティナの胸と自分の胸とを比べて落ち込むなんて日常茶飯事だ。それに毎回心配してくれるエミーゼルを良い子と言わず誰を良い子と言うのだろうか
「放っておけ小僧。どうせいつものだろう」
「いつもの……あ、あぁ……」
ヴァルバトーゼの言葉に納得したエミーゼルは頬を少し赤らめ頷いた
『…冷たいのねヴァルバトーゼ』
「貴様が落ち込む度に気にしていたらキリが無い」
『…』
確かにそうなので言い返せない。ぐっと睨むと、小馬鹿にするように鼻で笑ってきた
「……なにヴァル様を睨んでいる」
『げ、フェンリッヒ帰ってきたの。べっつになんでも無いわよ』
「げ、とは何だ。何でも無いこと無いだろう」
『何でも無いのー!!ほら、海に行こうエミーゼル!』
「えっ、あ!?」
ぐいっとエミーゼルの手を引っ張って海に駆け出せば驚きながらも着いてくるエミーゼルに微笑みかける。
後ろでフェンリッヒが煩いけど知ったことか
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エミーゼ、ル…?