∵フランさんとかき氷について 「えっと、いや・・・あのー・・・」 「何やってんですかー。さっさとしてくださいよー」 その氷をどうしろと!? 私は目の前でテーブルに座り私を急かすフランさんと、わたしの目の前にドドンと置かれた大きな氷を見てため息をついた。 夏。 師匠の任務の手伝いでこのヴァリアー邸に泊って数日が過ぎようとしていた。外はギンギラギンに〜と歌いだしたくなるようなギラギラした陽が照っている。 ・・・あ、ギンギラギンよりもアーチチ、アーチの方か。だって、燃えそうだし。 しかしまぁ、この部屋はとっても快適だ。クーラーのおかげで涼しい。 流石金持ち!なんて、ザンザスさんの前で言ったら本当に燃えちゃいそう。かっ消される。 そんな時だった。私の部屋の扉が鈍い音を立てて崩れ落ちたのは。 ミシミシミシ、という音で後ろを振り返ればそこには押し倒された可哀そうな扉があって。それに悲鳴を上げる前に、私の視界いっぱいに広がったのは特徴のあるあのカエルだった。 「氷持ってきてやりましたよー。ミーは任務で疲れてるので部屋でぐーたらしてた変態女が作ってくださーい」 「・・・いや、えーっと・・・。ちょっと待ってください、フランさん。 え?この氷山ばりの氷をどうしろと?」 そう。目の前に広がっていたのは冷気を漂わせている普通のサイズではないサイズの氷の山だった。 すると、早々にテーブルに着席したフランさんは両手にナイフを持って言った。 「馬鹿ですかー?あ、違った。変態でしたねー。こんなこともわからないんですかー?」 「馬鹿でも変態でもありません!それに誰もわかりませんよ!!」 「夏に氷って言ったらかき氷でしょー。その氷全部使ってかき氷作ってくださーい」 え?これ全部? 「さっさとしてくださいー」 「ヒィィィィっ!!」 ヒュンヒュンとナイフが飛んできて、私はとりあえずこの氷を削ることに専念することを決めた。 ガリガリガリ。ゴリゴリゴリ。 「とりあえず、こんな感じでいいんですか?」 フランさんの前に、今しがたできたばかりのかき氷を置く。シロップはイチゴとレモンを用意して、それも一緒にフランさんの前に置いた。 「お好きなのをかけて食べてください。次のかき氷を削る作業に移りますから」 しかし、フランさんは一向にスプーンに手を伸ばさなかった。・・・あれ、何か足りなかった? 「あ、練乳ですか?イチゴにはやっぱり練乳ですよね?今持ってきますから」 「何早とちりしてるんですか変態女ー」 「だから変態じゃないっ・・・・、って、あれ。練乳じゃないんですか?」 「うわ、正真正銘の馬鹿だ」 「フランさん。やっぱり貴方の言葉ってグサッて来ますよ」 じゃあ何が足りないんですか?と聞けば、フランさんは呆れた表情をした(と思う)。 「ミーはイチゴ味もレモン味も食べたいんですー」 「・・・はぁ」 「だけど混ぜたらクソ不味くなるじゃないですかー」 「そりゃ、そうですね」 「・・・此処まで言っても分かりませんか。本当に馬鹿ですねー」 「・・ちょ、だから馬鹿じゃな」 「ミーがイチゴ味食べて変態女がレモン味食べればミーは両方とも食べれるってことですー」 わかったらさっさと自分の分のかき氷を作ってくださーい。 そう言ったフランさんは、ふいっと向こうを向いてしまった。 私はといえば、まさかそんなことを言われるなんて思ってもみなかったからきょとんとしてしまった。 でも、すぐに彼の小さな優しさに気がつき小さな笑みが零れる。 両方食べたいなら、2回食べたらいいのに。私の分が出来上がるまでに、かき氷が少し溶けてしまうというのに。 「・・・はい、すぐに作りますから待っててくださいね」 「さっさとしてくださいねー」 無表情だなんて誰が言ったんだろう。 フランさんは、こんなにも表情豊かな人なのに。 ガリガリガリ。そうやって氷の山を削る。 それは、まるで私の彼への苦手さを削り落しているようだった。 フランさんとかき氷について 「さあできました!食べましょうフランさん!!」 「・・・はぁ、全く、遅いですよーのろまー」 「のろくないです!じゃ、いっただきまー」 「フランてめえ此処にいたのか!!!」 「・・・げ。スクアーロ作戦隊長じゃないですかー。静かにしてくださーい。美味しくかき氷が食べられませーん」 「あ、悪ぃ・・・じゃねえ!お前ボスに報告もせずに何のんきにかき氷食ってんだぁ!」 「あ、忘れてましたー。はは、だからそんな血だらけなんですねー」 「笑いごとじゃねえよ!!」 「・・・えっと。ジャンニーニさんの電話番号なんだっけ。フリーダイヤルだといいなぁ。電話代がかかっちゃうからなー。ははは」 ・・・・・・・・・・ フランのさりげない優 しさに胸きゅん// そしてフリーダイヤル に笑いますた(*^^) やはり弾丸ガールの お話は大好きです! これからも楽しみです! これからよろしくです ・・・・・・・・・・ ×
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