「ん?誰だ?コイツ」


「ここに倒れてたんだ。寝てるけど…誰だ?」


「なんて可愛らしいレディー!!!!ショートパンツから伸びる白く長い美脚が!!!ああああ!!!」


「ホントに可愛らしい子ね。でもどうやって…島を出てからもうかなり経つし、船は見てないし…」

「不思議なヤツだなー。おーい起きろー」


「…んっ」

「起きたか?」

「剣を出すな!クソマリモ!こんな、麗しいレディーを怖がらせんじゃねえ!」

「んなっ!?っるせえ!」




お昼ごはんを食べたあと、チョッパーが甲板に出たら女の子が倒れているのを発見。それはそれはもう、可愛い!この私が言うんだから、極上に。オレンジのショートパンツから覗く白い脚には、傷はない。「守られて」きたのか、それとも自ら「守って」きたのか。


ブラウンのロングヘアが風に靡いてる。海に似合わない白い肌。両耳についている、顔をモチーフにしたピアスは、対になっている。

海賊…?……それとも?


「んー。起きねーなー」

「"お姫様は、王子のキスで起きる"、の一択だ!」

「…ん……っ」

「キスなんてされなくても起きれるみたいよ、サンジくん」

「…くっ…!」


「…え?……?」



寝起きの顔。はっきりとしない頭をフル回転させて、わたしを見つめる。未だ虚ろな目。なんてかわいい。わたしでさえ、こんなにかわいいと思ってるのに、そりゃあサンジくんやゾロはもっとたまらないと思う。ゆっくりと体を起こす彼女の背中を支えてあげると、ありがとうございます、と笑った。



………本当にかわいい。



「起きたのね。」

「あの、あなたは…?ここ、は…?」

「ここは、俺の船だ!麦わら海賊団だ!ししっ!…で、おめぇ誰だ?」

「え、む、むむむむむ、むぎわ、麦わら?!もしかして、あなた、ルフィくん…?」

「うおい!ルフィ!お前もなかなか世に知れ渡ってんじゃねーか!」

「エースのおとうとくん?!」

「なんで知ってんだお前!!!エースの知り合いなのか!?」

「ええ、まぁ…」

「そうかー!!!!お前、エースの友だちなのか!!名前何ていうんだ?!」

「おなまえです!」

「おなまえか!よろしくな!」





ニカッと豪快な笑顔で、ルフィに手を取られ握手。ブンブンと振られている。ルフィといえば、いつも通り、もう片方の手は、麦わら帽子を押さえている。


「(……義理の兄弟とは言ってたけど、笑った顔安心するし、少し似てるかなぁ)」

「お前、可愛いな!おれ、お前好きだ!」

「えっ?」

「ルフィっっ?!」

「ルフィ!何言ってんの!」

「だって、なーーんかコイツ、エースに似てんだよ!エースといっしょにいたのか?」

「そうです、ほらこれ!」



首元にある、証、白ひげのマーク。



「てことは、白ひげ海賊団?」

「はい…」

「白ひげ海賊団は、新世界のはず…なんでここにいるの?」

「分かんないです…。ここは、新世界からは遠いですか?」

「遠いなんてもんじゃないわね」







可笑しいことが多いけど、新世界って変なことばっかり起こるって聞くし、それに、白ひげ海賊団のタトゥーもあるとすれば、戦うことはないと思うし、雰囲気に殺気がない。柔らかい物腰と、困ったような笑顔。帰れるのか不安なんだろうけど、周りは海、もし能力者ではないとしても、空を飛んだり瞬間移動の能力を持ってない限り、帰るなんて無謀なことしないと思う。



「とりあえず、お茶でも飲みながら話しましょ。サンジくん、」

「はいっナミすわぁぁーん!」




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