彼女の背には岩があるので、優しく追い詰めると口を開く。



「…おなまえ…っ」


「………エースがしたいなら…、わたしもしたい」

「………意味、分かって言ってんだよな?」

「うん」

「途中でやめるとかナシだからな?」

「……わかった」




頬を染めて恥じらいながらも、真っ直ぐな視線。岩についた俺の腕に優しく触れただけなのに、ドクドクと心臓がうるさい。初めてではない。おなまえとは、何度も体を重ねたことはある。こういうロケーションは初めてのため、見つからないかドキドキする反面、普段との違いに興奮してしまうのが人間の性。



こんな展開を期待してなかったわけではないし、あー脱がしてえとか正直思ってた。だってら脱がしたくて、あの花柄のホルターネック買ってたわけだし。
腕に触れていた細い指が、首にちらついてきて、両手が俺の首に回された。なんだよ、お前も結構乗り気だったってことか?興奮してるってしるしだよな?だったら、本当にいいよな?手加減はもうしてやれない。



「こうなること、期待してた」

「え、そうなの?」

「わたしもだよ、とか言わねえんだな」

「? う、うんんん、っ!」


?を浮かべて返事をするおなまえに、噛みつくようにキスをする。こっちから何度も何度も角度を変えたり、舌を巧妙に遣いながら求めて、着いてこれないくらいに更に深くかぶり付く。





胸を隠してるようで十分隠しきれてない、黒の三角を上に押し上げて、胸を揉みしだく。堪えているような声が聞こえてきて、更に興奮したところで天辺のそれに唇を触れる。



「ん、んっ…」




甘美な声。まるで「もっと、もっと」と言うように、首に回された腕に力が入って、おれは自分の意思とは別に、その柔らかさに近付く。


「エース、…すきぃ…っ」


「…(…クソ…っ)」




一瞬、動きが止まった。そこからはもう、完全に歯止めが効かなくなった。
























「ってわけ。やべえだろ?」

「エース、お前、勇気あんなぁ…」

「浜辺の岩陰かよい…」






クスクスwwwwな空気がおれを囲む。けど、それには切望の眼差しが込められていることをおれは知っているので、ドヤ顔のまま。なんだよ、マルコ。そんな顔してるけど、ほんとは羨ましいんだろ?


いやーほんとに、あの時のおなまえは可愛すぎた。




「なんか文句でもあんのか?マルコ」

「なんで文句なんか。でも、」

「でも?」


「若いってなんでも出来ちまうんだな。こえー」


「…」







(なぁ、マルコ。おれの隊に、エースとおなまえがヤってんの見たヤツがいるらしい)(そりゃ災難だな)(エースに迫られる時のおなまえの顔がもうやばい。顔赤らめながら困ったような顔するものの、笑顔で"いいよ"っていう姿がもう、エースには勿体ない。おれが貰おう)(イゾウ、お前見たんだな)

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