千歳先輩のことが好きだとか言う、千歳先輩に好かれてるマネージャーに、千歳先輩に告白しようかどうか、な相談を聞いてるなう。なんやねん、自分らはよ付き合えやめんどいわー。昨日、アンタが委員会で部活休んでんのをええことに、部室のアンタのロッカー嗅ぎながら、「あーーー!!セックスしたい!!」って叫んでたの知らんから言えるんや、そんなこと。キモすぎて笑ったわ。笑えん、と思ったけど、謙也さんの引いた笑顔見たら、むっちゃおもろくて笑えた。




「今日とかどうです?」

「えっええええ!なんで!無理だよ!」

「今日告って成功したら、年越しは一緒に過ごせるかもっすね」



たぶん、千歳先輩なら年内までに喰いかねん。(本日は12月26日)クリスマスイブにテニス部でパーティーしたんやからそんときがいいタイミングやったのに、逃したのがアホやろ。まあそしたら、性の六時間突入やな。あの男のことや。絶対喰ってたわ。

「先輩、顔真っ赤」

「っ、財前が悪い!」

「えーなんでや」




ーーてか、エロいとこも好きなんすか?
ニヤニヤしながら聞いてみると、エ、エロっ…!?って吃り出した。やっぱりこの人おもろ。唸り始めて、えーんーあーんーと、と悩んで出したのがこの言葉。


「いや、そのー、さ。……オトコノコだから仕方ないかなぁって…思うの、」

「へー。珍しく物わかりいいすね」

「財前に、誉められ、た……!!」

















「なに話とっと〜?」





「ちちちちとせ!!!な、んでもない!!ほっほら、財前!千歳と試合してきなよ!」

「謙也さん呼んでるんで、謙也さんとしてきますわ」

「え、ちょ、ざいz」

「性欲にまみれてる千歳先輩が好きー、てゆうてましたよー」

「っ!!財前!!!ばか、ちがっ…!」





「え、ほんま?」





ぐんぐん近づいてくるニヤニヤしてる千歳と後退りするわたし。財前!!なにしてくれてんだ!!!!!けど、今はそれどころじゃない。千歳が目前に迫っているのだ!!や!ば!い!!ずんずんずんずん。逃げていたら、部室の裏にまで追い込まれた。



「おれんこと、好いとう?」

「え、ん、その、それは、えーっと、ううううー…う、んっ!?」



頭の後ろに手を添えられて、腰に回した反対の手で引き寄せられて、斜めから入ってきた綺麗な顔が視界いっぱいに広がってる。ああ、きす、されてる。なんて冷静に考えてた。さっきまでの動揺はなんだったの。


「やっと手に入った」

「うそ…、」



唇を離した後、試合のときみたいな真剣な表情をして、突き刺すような眼差しをわたしに送る。



「好いとう、ずうっと前から」


わたしも!!!と言って、背伸びをしてキスをした。むちゃくちゃなキス。千歳のほっぺを両手で挟んで、無理やり押し当てた、てゆうキス。唇が離れたら、千歳が真顔で言ってきた。



「勃った」

「?」



ほら、と手を取られ、反応しているソコに当てられた。




「千歳のへんたいいいいいいいいいいいい!!!!!」


ぱしーん



「いってぇ!」






これが、万年発情期千歳千里とわたしのお付き合いの始まりでした。





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