「いい加減吐け。どうせ死ぬんだから同じだろ」

「看守服萌える」

「お前、聞いてんのか」

「噂通りのいい男ね、エース」







只今、絶賛拷問中。
聞きたいことがあるため、マゼラン署長の命により、俺が個人的にこのほとんど使わない密室で拷問することになった。

この女、なかなかの賞金首。ここへ来て5日。この女の乗っていた船の船長は、軍艦六隻を沈め、乗っていた海兵を皆殺しにした大罪人。しかも、全員の生首を軍艦の非常用の小船に乗せて、海軍の常駐する島へ流した。



そんな男、捕まえる他ないだろう。






「なぜ、お前ほど強いヤツが容易く捕まった?」

「教えてほしい?」

「はやく言え」

「ずっと、捕まろうと思ってたからよ」

「は?」




ふふふ、と笑みを溢す女。捕まっているには随分と余裕な表情をしている女は、美しく笑った。




「セックスしてくれたら、船長の居場所教えてあげる」

「……なに言ってやがる」

「看守って大変じゃない?交代勤務だし、ろくに抜けないでしょ?むしろ、セックスなんてもってのほかでしょうね」

「てめえ…」

「でも、いいチャンスだと思うの。セックスもできて、犯罪者の居所も知れる。私にとっても、貴方にとっても、利益があるわ。私は、貴方みたいないい男とセックスして死ねるなら本望よ」

「ふざけたことを抜かすな」




女が喋っている途中、目線はちらりと俺の目から外されて、下に流れた。もう一度目があって、頬を思いきり殴ろうと、拳を握り締めた。女の頬に当たる寸前、思った。



例え、ここでこの女を抱いたとしても、電伝虫はないし、この部屋を外から開けるための合鍵はなく、俺が持っているこれしか鍵はない。どうやっても、誰も入ってこないわけだ。




無理矢理抱けばいい。どれだけ乱暴にしてもこの女は囚人。なにをしても、俺はどうにもならない。この女も、目が本気だ。本当に、逃げる気もなさそうだ。例え、逃げ出そうとしたら、その時は、このナイフで心臓一突きだ。事後は、殺せばいい。拷問に耐えきれず死亡。報告書にはそう書けばいい。




拳を緩め、女の目を見る。




「する気になったの?」

「あぁ、してやる」

「嬉しい!ありがとう!貴方みたいな男と出来るなんて、私幸せ!」

「鎖は取らねえからな」

「構わないわ。いいからはやく脱がせて」







何本かの鍵が付いた鉄の輪を、部屋の隅へ投げる。同じくそこへ看守帽を投げ、黒いグローブはつけたまま、女の肩を掴み、キスをしながら服を脱がした。


強引で貪るような深い口付けに、余裕で着いてきているのが妙に悔しくて、ペースを速めた。キスの途中、目を開けると、タイミングよくなまえも目を開いて、妖艶に笑みを浮かべた。


















そして見事に、ハマった。気持ちいいなんてモンじゃない。それはもう、






地獄ような快楽。








今夜も、あの鉄の部屋へ。









餌食




(もう少しで吐きそうなのか?)(はい。おそらく、言うと思います。署長の手を煩わせるほどではありませんので、引き続き俺が。)(任せたぞ、エース)(はい、署長)



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