「俺、単位やべぇし、次は受けて帰るわ」


青峰くんが、携帯をこんなに長い時間触るのなんて久々に見ます。案外、口には出さないですけど、心配してますよね



「とりあえず、様子を見に帰ってあげた方がいいですね」

「俺、次の授業ないし、名前っちの様子見に行こっかな〜」

「やめろ黄瀬。おめぇは帰れ」

「じょ、冗談っスよ!?」

「おめぇらは冗談が冗談じゃねぇんだよ」

「(おめぇら…?)」

「黄瀬くん、今日は撮影とかいってなかったですか?」

「あ!!!そう!撮影!!もうそろそろマネージャー来るんで行くっスわ」

「はやくいけよ」

「さようなら」

「二人とも淡白すぎる〜〜」

「テツ、次一緒だよな、授業。行こうぜ」

「ハイ」

「えっ!?ほんと、俺に当たり強いっスよね!???!?!」



黄瀬くんさようなら

















「青峰くん」

「んあ?」

アホみたいな声から眠そうだということを読み取ると、その通り。あぐひしだした。

「変わりませんね、ほんと」

「名前さんのことです」

「あーー。まぁな」

「本当に、好きですね」

「ったりめーだろーが。じゃなきゃ、大学生の分際で、一緒に住みたいなんて頼めるかよ」

「青峰くんから言い出したんですよね、そういえば」



そういうとこ、本当にすごいです。

二人が一緒にいるのは当たり前。別れることなんてむしろ考えられないくらい。考えたこともありません。



「おう。独り暮らしとかできねぇわ。ぜってえ」

「結婚…とか考えますか?」

「そりゃあな」

「楽しみです」

「ははっガキが出来たら遊んでくれよな?」

「えっ…?」

「……は!?いや!!まだ出来てねぇからな!!出来てねぇぞ!!」


「よかったです」


驚きました。けど、それよりも嬉しかった。




「じゃ、俺、帰るわ」

「はい、名前さんにお大事にと伝えてください」

「おう、サンキュ」


早めに授業が終わると、すぐに出ていった青峰くん。

二人を見てると、僕まで幸せです。





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