「やべぇマジでつかれた」

「ヒジは大丈夫?」

「おう。大丈夫」

「よかった」

ソファに、ぐだって倒れる青峰。長く息を吐いて、うん、ほんとにつかれたらしい。



「ご飯、親子丼でいい?」

「頼んだ」



頼むも何も、青峰が作ることなんて滅多にないでしょうが。

まあ、そんなことも言わず…。

お米は二合でいいか。今日は、結構食べそうだし。





「なぁ」

「んー?」

「俺、弱くなったか?」

「わたしには分かんない」

「……まぁ、そうだよな」

「けど、」

「…けど?」

「かっこよかった、大輝」

「……」

「うわぁ…恥ずかし。黙るわ。ごめん。急いでご飯作る」

「お前はなー、たまーにそういうこと言うからセケェんだよバーカ」

「はぁ?」




急にソファから立ち上がって、トテトテと力なく近付いてくる。なんだなんだ。やべぇほど疲れてんじゃないの。


「ちょっ、…なん、「すき」!」

「好き。ほんとに俺、お前しか好きじゃねぇ。名前以外、好きにならねぇと思う」

「料理作れないから退いてください」

「やだ。離したくねぇもん」

「ふざけんなー」

「なんでお前、そんないい女なわけ?」

「なんでだろうね」

「俺も分かんねぇ」

「ねぇ、ご飯作れないよ」

「別にいい。こうやってるだけで充電出来てる」

「……うん」



わたしが望んだ展開。まんまとはまってくれた青峰。けれど、少しなんかおセンチな感じ。ちょっといじめられすぎて、弱くなってるのもかわいい。


大きい子どもかよ。かわいいなぁ




「よしよし。今日はよくがんばりました。キセキの世代の五人を一人で相手するなんて、青峰くらいしかできないよ」

「大輝って呼んでくれよー」

「もう…。お子ちゃまなんだから、大輝は」



ちょっと待って、ほんとに可愛すぎる。192もの身長、それといつもは俺様口調

なのに、今日は犬の耳さえも見えちゃう。可愛すぎるよ。



「やっとこっち向いてくれたか」

「うん、大輝が甘えたそうな感じだからね」

「おう」


ちゅっちゅと、軽いキスを交わして、ぎゅうううって抱き締めたら、大輝の匂いでいっぱいになって、他のなにも要らない。




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