その夜、シャンクスさんに抱かれていた。




歪む視界の中で、苦しそうな顔をするシャンクスさんが揺れる。目が合うと、切なそうに笑ってわたしをドキッとさせて胸がきゅっと締まる。






嫌いになれればどれだけ幸せか。


シャンクスさんを目の前にすると、なにも言えなくなる。ただ、"好き"や"愛してる"なんて言葉が出てきて溢れて止まらない。





「困難があるほど燃える」…まったくその通りだ。




シャンクスさんに彼女がいることだって知っているのに、結婚も考えていることも知っているのに、少しでも求められると応えてしまう。好きだから、ただそれだけで倫理に反してしまうのだ。



いけない、と、やめておけ、と、叫ぶ理性を無視して、いつも、本能が彼に触れさせる。


シャンクスさんからしたらただの遊びだとか、分かってるつもりなのに、如何せん経験の薄いわたしはそんな理解も出来てなくて、







甘い罠に嵌まっていくばかり。

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