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「ああもう!」名前は怒鳴りながらゲーム機を投げつけた。ゲームオーバー。画面は無機質にそれを告げる。もう何度目かもわからないそれに、しかしすぐさまコンティニューする気にもなれず、テーブルの上に置かれたお酒に手を伸ばす。


「姉ちゃんさぁ、いくら非番だからって飲みすぎじゃね?」
「うるさぁい秀星、ちょっとだまっててよ」


世話焼きな弟をいなしてぐいぐいお酒を飲み干す。さて、もういっかい。こうなったらクリアするまで寝るもんか。


「別に酒はいいけど、この間みたいにいきなり脱いだりしたら困るぜ?」
「いいじゃん別に姉弟なんだから」
「姉ちゃんには淑女の恥じらいとかないわけ?」
「お、難しい言葉知ってるじゃん。すごいすごい」
「俺のことバカにしてるっしょ!」


パチパチと乾いた音を鳴らす姉にそう怒鳴れば、笑いながら再びお酒をグラスに注ぐ。まったくもう、この姉ときたら。


「…これ以上飲むなら、ゲーム没収だぜ」
「なによぅ」


ただでさえ童顔の名前だ。頬を膨らませて拗ねたようなその表情はまるで幼子のようで、とても姉とは思えない。こちらの忠告を無視して再びぐいぐいと飲み干す名前の顔は、とうに真っ赤に染まっている。そしてとうとう服を脱ぎ始めた。服と言ってももともとネグリジェだった名前だ、裸同然の姿になるまでそう時間はかからなかった。


「…あのさ姉ちゃん、俺も一応男なんだってこと忘れないで欲しいっていうか、」
「あは、私よりちっこいくせに何言ってんの〜秀星ちゃん」


あっさりと秀星のコンプレックスを抉った名前は下着姿のままでソファに寝転がる。


「ちょっと、姉ちゃん……襲うよ」
「やだやだ無理無理!ならパンツ見せる!」
「いらねえよ!!つか、もう見えてるっつーの!」


ぎゃいぎゃい言いながらも毛布を掛けてやるあたり、自分も大層世話焼きなものだと秀星は深く溜め息を吐いた。


背丈の足りないソーダ
130128 縢くんに姉ちゃんと呼ばせたかっただけのお話

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