「わたし、洋一君が好き!世界で一番好き!大好きっ」

その言葉を俺はずっと忘れることができない。俺は、ずっと一緒にいた幼馴染を捨ててまで、野球を選んだ。そんな最低な男にあいつは最後までバカみたいに優しくて愛おしかった。お互いきっと離れる日が来るなんて想像しなかったくらい、俺たちはずっと一緒だっんだ。それが今じゃ、連絡すら取り合わねぇって・・・・。あの頃の俺はそんなこと夢の話だと思って幼なじみという距離にあぐらをかいて一度も自分の気持ちを伝えたことがなかった。そのことを過ぎてからずっと後悔してる。
きっとお前はあの時の気持ちをちゃんと忘れて次の恋に行ってるんだろうな。けど、俺は・・・あの頃と何一つ変わらねぇ。変わらず名前が好きだ。誰よりも好きだ。どれだけ違う女を抱いても、似てる女を抱いても、いつだって頭の中にいる女は一人だけだった。もう何年もあってないから忘れてもしょうがないはずなのにあいつの姿も声もあの頃から色褪せないまま、俺の脳内に色付いていた。最後に会った日、初めて女の顔を見せたあいつのことは少しも忘れてない。泣きながら、必死に俺を励まして、自分の気持ちを伝えてくれた。
「俺も、好きだよ・・・・ばーか」
今なら言えるのに。あの時言えなかったこと全部、お前に言うから。だからもう一度チャンスが欲しい。お前にもう一度会いたい。またあの声で俺の名前をよんで欲しい。もう一度あの笑顔で笑いかけてくれれば・・・俺は・・・。なんて、今更都合がいいよな。
あいつが子供の頃くれたスポーツタオル。試合に勝ちますようにっていって作ってくれたお守り。洋一くんに似合うと思ったから。と言ってくれた腕時計。今も全部全部大事に置いてある。スポーツタオルは使いすぎてボロボロだけどちゃんと畳んでしまってる。お守りは誰にも見せたことねぇけど、カバンの中にいつも入れてもり歩いてる。落として無くさないように鈴も苦手な裁縫を頑張ってしてつけた。もらった腕時計は今もずっと愛用してる。大人になってちっと安っぽいんじゃね?ってほかに奴らに言われることもあるけど俺はそれ以外を使う気にはならない。何度壊れたって、直してずっとずっと使い続てる
なぁ、お前は覚えてねーかもしれねぇかどさ。一番最初にお前が俺のことかっこいいって言ったのが野球してる時だったんだぜ。俺はずっとその時のこと覚えてる。その言葉が嬉しくて、ますます野球が好きになった。野球に夢中になった。洋一くんならプロ野球選手になれるよ。絶対。なんて子供の頃にお前が言うから俺はその言葉をずっと信じて野球を続けてきた。俺には御幸のような人一倍秀でた才能はない。けど、お前の言葉だけを信じてずっとずっとお前を捨ててまで続けた野球を諦めなかった。そしたらほんとに、お前の言うとおり、俺はプロ野球選手としてやっていくことになった。入るよりも入ったあとの方が大変だなんてわかってる。けどさ、俺本気で頑張ってみるわ。どこかでお前の目に俺がとまるように。お前にまたかっこいいって思ってもらえるように。
最後に会った時、お前言ってたよな。忘れないでって。何も忘れてねーよ。お前との約束。全部全部俺は覚えてる。これから先もずっと。お前がくれた全部、俺のちからになってる。お前の言葉も、お前の涙も、お前の伝えてくれたこと、俺にしてくれたこと、全部。今俺がここに立つために必要だった。バッドを握って頭の中でお前の笑顔を思い浮かべたら、どんな球も打てる気がしてくんだよ。ほんと、お前ってスゲェやつだな。

いったー!倉持選手最初からやりました!ホームラン!!

覚えてるか?昔にした約束。
「プロ野球選手になって、大きな球場でホームラン」
な?約束通りだろ?名前。


きみのすべてが宝物だよ
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