最近、変わったお客さんが来るようになった。桜色の髪をした身長の低い人。その人の目的は女で遊ぶことじゃなくて、知り合いをからかうことらしい。なんでもこの店に知り合いが通いつめていると聞き、様子を見に来たらしい。女の特徴を聞けば知り合いの中では極上の美女でその人を魅了し、虜にして離せないとかどうとかという話らしい。そんな美人なら私も一度見てみたいものだ。確かに綺麗に着飾っていようとも中身はぐしゃぐしゃで汚い女しかここにはいないってのに。その男の人馬鹿ですね。はっきり私がそう言うとお前もほんというね。と言って笑う。普通こういうこと言ったらお客さんって怒るのに。変わったお客さんだな。私から見た彼の印象はそんなもの。唯一わからないのはなぜ毎回私なんかを指名するのか。お金持ってるみたいだし、それ相応のお姉様を呼んだほうが男として楽しいだろうに。変わり者ですね。と私が言うとお前もだろ?と言われる。あなたに言われたら終わりだ。そう思いながらグラスにお酒をを注いだ。別にこのお客さん嫌いじゃないけど、しょっちゅうこられたくはない。もし、もしあいつが来たときこの人に捕まってたらあいつのところに行けないじゃないか。なんてこと言えるはずもなく、また今日も弾まない会話を度々しながら時間は過ぎていく。今日もあいつは来なかった
また桜色の男の人は来た。名前は教えてくれない。だから私が勝手にさくらちゃん。なんてよんだら怒られた。似合うのに。桜色の男の人はまた会話をあまりすることもなく私の注いだお酒を飲む。たまに世間話的なことか、意地悪なことかを言うけどすぐにそんな話は終わってしまう。私は話術なんてそんなないし、楽しませることもできない。こういう場に来るんだったらやっぱりほかの女を呼んだほうがいいと思う。そういう気遣いで違う女の人を送ってみるとすぐに女の人は追い返されてきた。お店でも上位のキャバ嬢なのに。驚いているとすぐにフットマンに言われてすぐに桜色の男の人の席に行くと完全に怒っていた。綺麗な人じゃないですか。というと頼んでない。と言われる。せっかくだから遊べばいいのに。というとそういうの興味がない。と言われる。まさかホモ。なんて言いそうになると思いっきりチョップされた。ほんとに痛い!!私女性なんですけど?!思わず反論したら知ってるけど?とケロっとした顔で言われる。ねぇ、ねぇ。なんなんですかこの人。お金の無駄使いですよ。そんないらないならくれないかしら。半分冗談半分本気でそんな事を言うといいよ。なんてさらっと言われる。思わず目を点にして固まるとお前が俺の所に来るならね。なんて言われる。つまりこれは彼なりの冗談らしい。本気にしちゃいそうでしたよ。なんて笑いながら言うと本気だけど?なんて真顔で言われるから焦る。この人どこまで本気かわからない。読めない。内側が。あいつと一緒、いやそれ以上に
フットマンがそばにやってきて耳打ちで彼です。と短く言う。思わず私の頬は緩んだ。久々に会える。そう思えば胸が大きく高鳴った。嬉しそうな顔してるね。桜色の男の人がこちらをみてつぶやいた。そんなに顔に出ていたのか。いけないいけない。指名が入ったので一度失礼します。そう言って立ち去ろうとすると手をぎゅっと握られた。驚いているとおい。と声をかけられて振り返る。そこには中学時代一緒の問題児組だった倉持がいた。思わずその名前を口にしようとすると倉持が先になかにいる客を見て驚いたような顔をして後ろにずり下がる。りょりょりょりょりょ亮さん?!え。思わず振り返ると桜色の男の人はニンマリと笑って偶然だね。倉持。なんていう。知り合いだったの?!というか、全然偶然じゃないじゃないですか!!慌ててフットマンにこの人たち同じシーツで。と話を通し、椅子に戻って座り直す。ええっと。これどういう状況だっけ。な、なんで亮さんがここに・・・。まぁ倉持からすれば一番気になるとこであろう。どうやら知り合いのようだから。どういう関係?私がそう言うと亮さんと呼ばれた彼も俺も聞きたいんだけど。お前らどういう関係?と聞く。先に答えてくれないんですね。とりあえずこの人は中学の同期です。と簡潔に答えるとお前、ここまできてそういうのかよ!!と倉持が文句を言う。だってそうじゃないか。それ以上なんと説明すればいい。同じ問題児で、倉持と違って私は推薦とかなかったけど実力で学校に行って、けど問題になって退学させられて、仕事が見つからずキャバ嬢になって、そしたらたまたま倉持と出会って、無駄に金落としに知り合いが来てます。こんな説明していいの?!と私が聞くともうすでに口にしてんだろ馬鹿!と言い返される。だって最初の説明で文句言ったのあんたじゃない!最初はにらみ合っていたがだんだんと馬鹿らしいと思い椅子に座りなおす。で、倉持とお客さんの関係って何よ。私がそう聞くと先輩だよ。高校の。と言われる。高校、ということは野球関係の人か。じゃ、倉持が魅了された女ってこいつってことか。なんて亮さんがポツリとわざとらしくつぶやくと倉持がへ?といって間抜けな顔をする。その言葉を聞いてようやく私は納得した。やっぱり、こういうことになったじゃないか。あんたが私にお金落としたり、チップとして渡したりするからこうなるんでしょ。私がそう言うと状況がわかったのか倉持は慌てて弁明する。でも底意地に悪い亮さんという人が簡単にそれをはいわかりました。というわけもなく、とことんからかい続ける。ああ、もうめんどくさい。その人、好きな人いますよ。私じゃない可愛い人ですけど。私がそう言うと倉持はお前!と怒り亮さんは少しばかり驚いた顔をする。元をたどれば悪いのは倉持じゃないか。好きな子がいながら、こんな所に来るんだから。ほら、さっさと帰りなよ。そんでこれにこりて二度と来るな。そう言って背中を押すと倉持が待てよ。といってカバンからいつものようにあれを取り出した。チップと称して渡されるお金。私、そんなにお金に困ってないんだけど。はっきりそいう言うと倉持はだったら、こんなところではたからずに普通のところで働け。といって帰っていった。その背中を見つめる私に亮さんはおい。と声をかけてくる。変だと思いませんか。は?恋人でもなくて、好きでもない。そんな女にただでお金なんて渡して。まぁ、変なな話だとは思うね。そうですよね。そんなことはするくせに・・・・冗談でもあなたのようなこと言ってくれないんですよ。ここから出ようぜって。手を引いてはくれないんですよ。出てこい。そう言ってこの闇底に声をかけるくせに、糸を吊るしてはくれない。自力で上がってこいってばかり言うんですよ。甘えすぎなんじゃない。お前。自力で出てこいっていうのは当たり前の話だよ。貪欲すぎ。その言葉が胸に突き刺さる。確かにそうなのかもしれない。貪欲だからこんなこと思うのかもしれない。わかってる。こんな気持ち、一生叶わないこと。でも、でもね・・・。どうしても、捨てきれないの。ずっとずっと出会ったあの日からずっと、この気持ちを。
お金なんていらない。お日様の下の生活なんていらない。私はタダ

私は貴方と"恋人"になりたいの
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -