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下ネタ、半道徳的表現注意





内臓も脳味噌もそれを覆う入れ物も全部全部麻痺してしまっていた。葉っぱを模したジャンクフードに炎に炙られる氷砂糖、濃密な紫の煙を発するスティックキャンデー、生と性が交じったホワイトチョコレート、甘いものの後にはくどくどしい新鮮なレバーやセンマイ、そんな不細工な御馳走たちを全部を頭から爪先まで存分に浴び続けた。

「アハハ!アハハッハハ!」

何がそんなに愉快なのか、何が愉悦なのか、わからないままに笑っていた。笑顔というヤスリで磨き上げられていく交感神経により気分がどこまでも登り詰めていく。ハイの先を超えたその先へと....ハイハイハイって、四つん這いの赤ん坊かよと声に出して言うと私はまた声高らかに笑った。そんな私の言葉にウケているとは到底思えない笑い声を挙げる有象無象は「じゃあ四つん這いになれよ?」と言った。その有象無象の言われるがままに私はマットへと四つん這いに....


「バレンタイン、どうかしましたかぁ?」
「はは!...あ....んぇ....あー....あらすたーか.....」

独特で、そんでもってどこか懐かしいラジオボイスに起きた時には一人バーに居た。アラスターに「ふかふかなベッド寝てみたくはありませんかぁ?」と誘われた奇怪なホテル、そのホテルにいる無愛想なバーテンダーと悔しいかな、私なんて足元に及ばないくらいエロティックな見た目をした宿泊者と飲んでいたハズだ。けれどもう二人とも居ない。居るのは机に突っ伏した私の顔を無遠慮に覗き込むアラスターのみ。

「あらすたぁー...ふぎゃっ...!」
「やめてくださいよ。臭いが移るでしょう」

目の前のアラスターに寄りかかろうと腕を伸ばしたけれど呆気なく避けられ、身体は机から床へと転がった。しっちゃかめっちゃかそうな清掃係だったけれど存外キチンと仕事をしているのか、カーペットは思いの外埃っぽく無かった。けれどいつまでもキスしていたいほど心地よくはなく、起き上がるために肘をつくけれど頭が重くて中々起き上がれない。「こんなに頭がおもいの赤ちゃんだったころいらい!」と叫ぶと頭にコンッと微かな衝撃がしたが、十中八九アラスターの杖。その後もなんとか踏ん張り体勢を座るまで持っていくことができた。意外にもそんな私を待ち続けているアラスターの爪先をボーッと見つめる。

「ハスクに言わないとですねぇ、お客様を放っていくなんて職務怠慢だと」
「んー....いや、思いだした、たしか一人にしてっていった....」
「ほう」
「ような気もしなくもない気がするぅ...」
「おやおや」

そう言うとアラスターは私の視線までしゃがみ、私の顔を覗き込む。宿泊者の生活の多様性を考慮してか、ホテルの照明は明るいままにしているらしい。裂いたかのような鋭利な口角で笑顔をたたえるアタスターの姿がくっきり....は見えない。逆光だもん。でも絶対に笑っている。だって私はこの男の笑顔以外の顔を見たことがないのだから。出会った時から今日まで一度も、だ。

「バレンタイン、私は確か言ったはずですよねぇ」
「いったはず?」

しなやかな杖で私の顎を持ち上げながらアラスターゆっくりと立ち上がる。それにより徐々に視界が上へと上がっていく様はまるでポルノ俳優を映すテレビのようだ。頭から爪先まで、舐め回すような扇情的カメラワーク。けれど目の前の男は至って健全な風貌である。そのカメラが遂にアラスターの顔を映し、私は彼を見上げる形となる。地獄という森羅万象の最下層の地底から何かを見上げるなんていつぶりだろうか。

「無知は罪だと、あなたに教え込んだはずです」

...ああ、あの日ぶりだ。地底に落とされ、言葉通り地を這っていた私を見下したアラスター、そんな彼を見上げて以来。あの日もアラスターは言った。無知は罪だと。誰かに言われるがままにドラッグハイになり、身体を許し、美人局をし、物を盗み、人間を殺した。知らなかった、ドラッグが悪いことだなんて、身体は簡単に差し出す物じゃないなんて、人を騙すのが悪いことなんて、命の尊さなんて、何も知らなかった、誰も私に教えてくれなかった。

「記憶が朧げになるほど酒を浴びて自分がどんな言動をしたのかわからなくなるなんてねぇ!自分に対して無知になるのもおやめなさい」

なんて生前のこともアラスターの語りもどうでも良かった。無知は罪、私を見下ろしそう言い放った男に私は溢れたのだ。そう、溢れまくったのだ、あそこから透明な液体が止めどなく....そうアソコから、だ。

「あらすたー....」
「なんです、手は貸しませんよ」
「へやでヤろう、いまえぐいほどべ」
「暫くの間禁酒を命じます」

そう言うとアラスターは杖を振り翳し、タコの足のように畝る触手を出すと私の口を封じ身体を縛り上げた。

「お部屋までお連れしましょう。そしてお部屋に着いたら眠らせて差し上げます。なぁに、ちょっと痛いだけでその後はぐーっすりですよぉ!」
「ふぐー!」

宙に浮く体に最初こそは抵抗の声を挙げていたけれど私は途中から何も言わなくなった。だって盛大に弾けそうだったから、ゲロが。まじで吐く、アラスターが触手を口から退けた瞬間ぶっぱ間違いなし。

「はいはいお部屋に着きましたよおやすみなさい!」
「ぎゃふっ...う....おえ...」

安全ベルトだけのローラーコースターに揺さぶられ続けた気分最悪な私と違い、アラスターは軽快な声音で言うと私をベッドに投げつけた。瞬間鳩尾に衝撃が走り、強制安眠、つまり私は気絶させられた。ベッドに投げつけからの鳩尾ヒット、加えて口から何か溢れたけれど意識を飛ばした私に確認する術はない。どうせゲロだから後処理は明日の自分に任せてグッドナイトだ。それでは皆さん良い夢を!



「...無知が罪なら、」

なんて、簡単に幕は下ろせないらしい。

「それを利用する有知もまた罪なんじゃない?」

もう半分以上閉じた緞帳の隙間で知らないストーリーが続けれる。ゲロと一緒で私の口から吐き出されたものなのに、シーツに広がる虹模様と違い明日の私はそれを確かめることができない。なぜなら言葉は形に残らないのだから。

「...フフッ!アハハハハッ!そうですねぇ!...だからココに居るんですよ」

アラスターが声高らかに笑う。地獄という最果てで、テレビよりもカラフルだと言い張る自慢の声で。






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ハズビンホテルやば!!!!!(やば!!!!)

軽い気持ちで見たらアラスターやばばばばばばばばすぎて頭おかしくなりました。

最近メリケンアニメ観たばっかで「その好きならこれもおすすめだよ!」ってネットに書いてあったし8話完結なのでかるーい気持ちで観たら.....はぁ.............アラスターみんな好きじゃん..........

でも本命(ビジュアル一目惚れ枠)はカミラの娘の金髪ポニテちゃんです、ビジュ好きすぎ最高情報くれ。


(以下夢の設定)


この夢主(仮):バレンタインちゃんは生前環境にも出会う人間にも恵まれず他人の言うことなんでも聞いて悪逆の限りを尽くした結果地獄堕ち。
そこでアラスターに拾われて無知は罪だと色々教えてもらいホテルに招かれたって感じです。

アラスターは特にドロップちゃんに恋愛感情は抱かないしなんなら強い悪魔になりそうだからどっかで契約して首輪繋いでやろうって思ってて、一方のドロップちゃんはドロップちゃんでただただアラスターに見下ろされると性的な興奮を覚えてセッ..したいだけの恋愛感情が分からない子です。
セッ..をダシに契約迫ったら首輪繋げるけどアセクシャルだからなかなか契約にこぎ着けることができない的な間柄。最初は「無知なあなたを知恵を差し上げましょう!」ってな感じで契約しようとするけど、「知恵とかいいからヤろ!!!」と返されて目が点になるアラスター見たい。

因みに作中は教育済みなので普段はある程度礼儀あるドロップちゃんですがホテル初日で酒飲みすぎてタガ外れちゃってます。だけど最後の部分はその教育済みなドロップちゃんがひょっこり顔を出した的な感じです。うん、自分で書いててようわからん。