×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


ファムファタールの囁き



がっつり下ネタ。下品です。


「んぁあ... 」
「おっ、お目覚めのようだね」

とあるホテルの8階の一室、そこのベッドで目を覚ましたデンジに声をかけたのはデンジと同じ退魔特異4課に属しているみょうじなまえだ。

「ん...?なんであんたがここにいンだ?」
「姫野ちゃんにデンジくん見といてね〜って頼まれたからね」
「ヘェ〜...ふぁぁああ...よく寝たぜ」

グーッと身体を伸ばすデンジ。そんな姿を映すなまえは「姫野ちゃんたちが色々見回ってから来るって言ってたからもう少しゆっくりしてていいよ」とデンジの横にあるベッドに腰掛けながら言う。ゆっくりといってもなあ〜もう目ェ冷めちまったし。と、悪魔退治のため訪れたホテルに悪魔によってホテルの8階に閉じ込められ、脱出経路も連絡手段も外に繋がる全てが遮断された宛ら異空間に閉じ込められたにも関わらずずっと呑気に寝こけていたデンジは思った。
...そうなれば時間を潰す手段は、とデンジは横のベッドのなまえに目をやる。

「おや?どうかしたの?」
「別に、暇だなァって」
「確かにね。でも姫野ちゃんたちが頑張って手掛かり探してくれてるから大人しく待ってないとね」

姫野、その名前にデンジの頭の中に今日のホテルに入る前に耳打ちした女の姿が浮かぶ。悪魔を倒したらベロ入れたキッスをしてくれると約束した面のイイ女の姿が。

(そういや悪魔との契約で右眼をあげたとか言ってたよな)

姫野は幽霊の悪魔、ゴーストと契約しておりその代償に自身の右眼を差し出している。そのゴーストの能力はさっき雑魚悪魔を討伐する際にお披露目され、その後エキセントリックな言動を繰り返す魔人、パワーにも使われた。姫野が操るゴーストによって首を締められたパワーは「いつか食ってやる!」と姫野に対して怒っていたが、とても味方側とは思えない行動をした彼女に概ねの責任があるので擁護の言葉は誰からも上がらなかった。

「...あんたも悪魔と契約するとき何か差し出したのか」
「あたし?」

そんな姫野のことを思い出してデンジはなまえに質問を投げた。話すことも無いから何と無しに、間をつなぐために聞いただけだった。別に特別知りたいとも思っておらずただただ時間を潰しにとデンジは横目でなまえを映しながら思っていた。

「私はね......性感帯を差し出したよ」
「はァ?せーかんたい?」
「うんうん...って、デンジくんもしかして意味わかってない?」
「俺ァ漢字の多い言葉は苦手だ」

聞き慣れない言葉にデンジはオウムのようになまえの言葉を繰り返した。義務教育を受けてないデンジは生憎小難しい言葉を知らない。無論多感な時期を迎えているから性的な関心は高くそういう行為に纏わる言葉については知っていた。でないと任務中にエロ本を拾うことも、胸に異常な執着を見せることも、姫野のベロ入れたキッスという発言に涎を垂らした犬のようなアホ面をしない。けれどなまえが言った性感帯という些か型苦しい言葉は知らないようだった。

「そっかぁ... んっとね....」

そんなデンジになまえは顎に手を当てて考え込む。一方のデンジは自分から聞いたにも関わらずもう興味が薄れていた。そもそも時間潰しのために投げた質問だし小難しい単語を聞いて一気に関心が遠のき、はやく悪魔ぶっ殺してベロキスしてェな、マキマさんに会いてェな、とツラのイイ女の顔ばかりを頭の中に浮かべていた。

「あのさ、」
「なんだよ」
「デンジくんってちんちん擦ったら気持ちよくなるよね」
「......は?」
「だから、ちんちん擦ったら気持ちよくなっちゃうで...」
「なに急に変なこといってんだよ!」

そんなデンジの頭の中のツラのイイ女を掻き消すくらいの爆弾をなまえは落としてみせてデンジは一瞬フリーズした。一体目の前の女は何を言ってるんだ、と言う意味を込めての「......は?」だったがなまえは同じような言葉を繰り返してデンジは堪らず寝そべっていた身体を起こして叫ぶ。

「デンジくんにも分かりやすいように言っただけなのに。だってデンジくん陰茎とか言っても分かんないでしょ?」
「だッ!お前!指差すなッ!指を!!!!」
「先輩に対してお前はないでしょ〜」
「いいからその指をしまえ!!!」

布団で隠れているがなまえがくるくると人差し指を回しながら差す先はデンジの股間付近で慌てふためくデンジに対してなまえは余裕そうで、顔には笑みすらある。

「まあデンジくんがそこを触って気持ちよくなるように女のヒトにもね、あるのよそう言う場所が。陰核って言っても多分デンジくん分かんないからわかりやすくいうとま......」
「もういい!分かったからそれ以上言うんじゃねェ!!」
「そう?...じゃあ話を進めるけど私はその部分を差し出したってわけ」

そう語りながらなまえはベッドの上に所謂体育座りになる。...が膝から下の足元は肩幅程開いていて、足と足の間にさっきなまえが話したその部位がスラックス越しだが凝らさずともデンジの目に入りデンジは速攻で目を逸らす。もちろんその部位がモロに見えているわけではない。纏っている布が薄かったりぴっちりしてたりで透けてたり形が浮き出ている訳でもない。けれど話を聞いた後だから変に意識してしまいデンジは「そうかよ!」と返して明後日の方向に首を動かした。

「...まあ厳密に言うと性器そのものを差し出したというより高揚できなくなったって感じなんだけど... ってデンジくん聞いてる?」
「へーへー!聞いてまァす!」
「ならいいけど...って高揚って言葉もちょいと難しいか。まあ端的に言うとエッチなことしてもイけない身体になっちゃったんだよね」
「.......」

そっぽ向いた時点でもう話をやめろという意思表示をしたつもりだったデンジだがなまえは1人話を続け、際どい単語ばかりを連呼しデンジは参ってしまった。嫌なら聞かなければいい話だが思春期真っ只中な彼にとって彼女の発する単語はどんな言葉よりも敏感に耳が拾い、デンジは彼女の言葉を一言一句逃さず聞く他なかった。
ポチタ、まじであの人黙らせてくれよ。と今は実態が見えない、デンジの心臓となった相棒に話しかけるが勿論うんともすんともワンとも言わない。

「性欲自体はあるし悶々とする時もあるんだけどイけないから生殺しっていうかツライというか...... ねえデンジくん、」
「なンだよ」

ギシッとなまえのベッドのスプリングが軋む音がする。きっと立ち上がったのだろうとデンジは推測し、まさかこっちに来るんじゃ...と思っていると想像通りなまえはデンジのベッドまで来ていてデンジの心臓の音が少しずつ大きくなっていく。なまえは頑なにこっちを見ようとしないデンジの姿にフッと口角を吊り上げるとデンジの耳元へと顔を寄せ、わざと息を多量に混ぜてた声音で囁いた。

「...私の話、ホントか試しちゃう?」
「はェ!?うわッ....!?」

なまえの吐息混じりの声に身体を震わせたデンジに暇を与えず両肩を掴んだなまえは、その身体をベッドに倒しその上に、デンジの身体の上に乗った。所謂馬乗りになったなまえにデンジはパチパチと目を瞬きさせ状況が飲み込めていない様子だ。けれどなまえはそんなのどこ吹く風で、デンジの下腹部へと腰を落とすと身を屈めデンジの顔に自身の顔を近づける。

「...で、どうすんのデンジくん、お試しする?しない?」

挑発するような笑みでデンジを見つめるなまえ。言葉と共に放たれる息が顔にがかかるほど至近距離にあるなまえの顔、それを目にしたデンジはなんだ、この女もツラがイイじゃねェか。と思った。姫野にばかり気を取られていて全然なまえのことを注視してなかったけれど良い具合に整ったパーツが顔の上に小綺麗に並んでいる。

(なァポチタ、ツラのイイ女が馬乗りになってエッチなことを試さないかと俺に囁いてる。これってさ、アレだよな、こんなシチュエーションで俺が返すべき答えって一つだよなァポチタ。お前も俺と同じ気持ちだよな。)

デンジは瞳を閉じて再び自身の相棒へと語りかけ、さっき同様返事が返ってこないのを確認するとゆっくりと目を開き、なまえのツラをめいいっぱい映し言ったのだった。


「...お試ししまァす!!」



「おいデンジ!いい加減起きろ.....って、おぬしら何をやっておる。交尾か?」
「パッパッパワー!!!?」
「あ〜あ、これからって時にパワちゃんに邪魔されちゃったなぁ〜」
「こんな状況で交尾とは... やはり人間は欲に濡れた罪深き存在じゃのぉ、救いようがないわい」
「ちっげェよ!!交尾してねェし!!」
「そうそう、正真正銘の交尾は全裸じゃないとできないからこれはなんちゃって交尾だよパワちゃん」
「何わけの分からんことを言っておる。この女相当イッとるのぉ」
「違うよパワちゃん、私はイけない身体なん....」
「だァーーー!!とりあえず一回2人とも黙れ!!!!」