そっと瞼を持ち上げる。
網膜に突き刺さる金色に、意識がシンと張り詰めた。
方形に切り取られた光が部屋を満たし、ゆっくりと輪郭を溶かしていく。
目を細め、睨むようにその向こう側を眺めた。どうしようもない無力感や喪失感は、どうしたって拭えない。
ゆるりゆるりと、指先から徐々に粒子へと変わり、体は宙に霧散していく。
息を止めれば、目の前がじわりと熱を持って滲んだ。
悲しみはない。
あるのは、おそらく寂しさと後悔だけだ。



四角い朝日は
ひどく懐かしい匂いがした。




Never end night

20110703

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