「お姉ちゃん!ぼく、くつひもがむすべるようになったよ!」


勇気くんはそうやって、小さなことでも逐一二つ上のわたしに報告した。小学校に上がっても中学校に上がっても、わたしたちが近所だという事実に変わりはなかったので、勇気くんはしょっちゅうわたしの家に来て、自慢げに語った。きっと褒めてもらいたかったんだろう。わたしもわたしで、勇気くんの楽しそうな顔を見るのが好きだった。いつしかお姉ちゃんが先輩に替わり、ぼくが俺になったあとも、勇気くんはわたしの家を訪れた。勇気くんにとって中一の二度目の春、わたしにとっては受験が終わった日、勇気くんはいつも通りわたしの家のドアを無許可で開けた。ドアの動く音がして、わたしも部屋着にカーディガンを羽織って出迎える。


「先輩!俺、先輩が好きです!」
「知ってるよ」
「えええ!?」


かわいい男

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -