※若干卑猥

わたしには自分でもわからない時間がある。朝でも昼でも夜でもお構いなしにふっと意識が消えて、数時間後に起きたあと、その間の記憶がない。目が覚めたとき一緒にいることが多い不動に尋ねてみても、その真相はわからなかった。自分を把握出来ないことほど気持ちの悪いことはない。次に意識を失ったときは、起きろ!と強く念じてみることにした。

次の日の練習が終わったとき、わたしは目の前が真っ白になる感覚を味わった。いつものあれだ。わたしはぐっと祈り続ける。
起きろ!
起きろ!
起きろ!


「…へ、ぇ、?」
「お前、もど、ったのか?」


次に覚醒したとき、わたしは不動の上に裸で跨がっていた。苦しそうな不動の息。汗ばんでいるわたしの身体。繋がっている部分を見そうになって、思わず顔を逸らした。なにこれ。状況が飲み込めないわたしの顔は大層マヌケだっただろう。不動が噴き出す。


「もう一人のお前は俺とヤりたくて仕方ねぇんだと」


それが真相?いまはそんなことどうでもいいから、すぐに意識を飛ばしたい。


鍵を握る他人

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