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「鮫柄高校から来ました、松岡凛です」 七瀬くんの隣の席に座り、教壇に立つ凛を見つめる。なんとなく楽しそうに見えるのは、うん、見間違いじゃないと思う。 「りーん、もっと可愛く言ってよ」 「梓てめぇ…」 「もー凛ちゃん、可愛い彼女怒らないのー!」 「可愛い?どこがだよ」 渚くんの言葉に鼻で笑った凛を睨みつける。そんな言葉を言いながらも、少しだけ耳が赤いからきっと、照れてるんだろうな。 「梓」 「七瀬くん?」 「名前でいい」 「おっけー、じゃあハルくんね」 「おいハル!こいつに手出すなって何回言えば…!」 前の席で楽しそうにしてたから、七瀬くんと話していたらずかずかと凛が近付いてきて私の手を掴んだ。わ、やだやばい照れる。 「可愛くないんだろ?」 「っ、」 「俺は、可愛いと思うけど」 「ハルくん…」 素直に嬉しい。いや、好きなのは凛だし、それは変わらないんだけど、凛の友達のハルくんに言われると、彼女って認めてもらえてるのかなって、うれしくなるんだ。 「お前も、ハルに言われて喜んでんじゃねぇ!」 「だって、ハルくん優しいもん」 「、お前が好きなのはお前だろ!」 あ、デジャヴュ。これ付き合うときにも言われたなぁ。付き合ってから、凛は独占欲が強いと知り、さらにはヤキモチやいたりする案外可愛い人だと知った。 「わわわ、凛ちゃんてばヤキモチ?」 「はは、凛は本当に梓ちゃんのこと好きなんだねぇ」 渚くんと真琴くんの言葉に、凛は顔を真っ赤に染めた。ちげぇよ!と声を上げるけど、逆効果だと気付いていない。こういう可愛いところも、私は大好きになった。 「皆さーん、何してるんですか?」 「合同練習始まっちゃいますよ! あ、梓…!凛先輩呼んできてって言ったのに!」 「藍うるさい」 「お兄ちゃん、梓さんになにしてるの?」 「…わーん江ちゃん、凛がいじめる!」 「あ、こら梓!」 江ちゃんのところまで走ると、ぎゅうと抱き着く。隣にいる藍がじと目で見てくるけど無視の方向で。 「大丈夫ですか? もうお兄ちゃんったら!そんなんじゃ遥先輩にさらわれちゃうんだからね?」 江ちゃんの言葉に眉を寄せた凛は、私達に近付いて抱きしめあっていたのを離される。あ、顔怖い。 「梓」 「なに?」 「江に抱き着くな」 「お兄ちゃん、妹に嫉妬?」 くすりと笑った江ちゃんに凛は違うと小突いて、ガタガタと動きだしたハルくん達を見遣り教室を出た。私の手を握って。 「部活中に凛先輩に近付かないでね!」 「は、なに言ってんの?私はマネージャーなんだから、部員を見るためなの!」 「でも、凛先輩は梓のこと迷惑そうだけど!」 「なに言ってんのよ、アンタでしょ、うざいとか言われてたの!」 凛と手を繋いで小走りでプールに向かう。凛の隣には藍がいて、「ね、先輩」なんて言いはじめた。…むかつく。 「凛、うざい?」 「は?」 「うざいですよね凛先輩!」 走りながら、江ちゃんが口をひらいた。 「そういえば、2人って…」 「え、弟だよ」 「姉なんです」 はぁ!?と言う凛の声に藍と顔を見合わせてくすりと笑った。 それから (聞いてねぇよ!) 20131021 にとりんの姉設定なのは一番最初から決めてました。 後日談ということでアニメ最終話でした。 |