思い出したくない事
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「似てるでしょ?」
「僕達一卵性なんだ」


嘘じゃないけど嘘だろ!と叫びたくなったのは内緒だ。


第2衝突
思い出したくない事



「美優、おりてきなよ」
「…わか、た」


タンタンと階段をおり、絵麻の隣に並ぶ。すると奥から、


「二人共、はしゃぎすぎですよ」


カラカラとティーカップとポットを運んできた赤いシャツを着た男性がこちらに歩いてくる。


「はじめまして、私は右京。弁護士をしています」


こちらも人当たり良さそうな笑みを浮かべ私と絵麻の前に歩いてきた。一瞬目が合った右京さんは私を見て驚いた顔をしたけれどそれは一瞬で。すぐにまた笑みを浮かべた。

右京さんの足元ではジュリがキィキィと毛を逆立てて文句を言っている。
(何故かわからないけど、絵麻がジュリと会話できるように、私もなにを言っているのかはだいたいわかっていたりする)


「ちょ、朝日奈くん絵麻に抱き着くのやめて!」
「なーんだよイイじゃん、キョウダイなんだし?」


また絵麻に抱き着いた朝日奈椿を睨むと彼は意地の悪い笑みを浮かべて絵麻をぎゅうっと抱きしめた。


「つば兄!うちん中で何やってんだよ!」


上から声がして、見上げると赤い髪の学ランを着た少年。あれ、何人目だっけ…。


ぼうっとしていると、少年と絵麻は同級生で同じクラスだとわかった。驚いている少年…侑介くんはなんで、と信じられない様子だ。朝日奈椿が事前に言うように言われていたらしいが、忘れていたらしい。きっと、いや絶対わざとな気がするけど。


俺は認めねぇかんな、と絵麻を睨みつけた侑介くん。きっと絵麻のこと、好きなんだろうな。そんな気がする。


「つか日向、お前姉貴いたんだ」
「え、うん」

「…侑介、です」
「日向…美優です」


私には友好的、なのだろうか。
絵麻の横を通りすぎるときに、同級生がキョウダイだなんて認めねぇ、と呟くように吐いて、奥に向かっていた侑介くん。


ジャラジャラと音がしてその音のほうを見ると、法衣を着た金髪の人が歩いてきた。(女癖悪そうだなぁ)


「やっと会えたね、妹ちゃん達

有り難い説法が聞きたくなったらいつでもお兄さんのところにおいで」


絵麻の手をとって、甲にちゅ、と唇を落とした。ああああ私の可愛い絵麻に…!


「あの、」
「美優ちゃんも、ね?」
「え、は…?」


絵麻から離れたと思えば、ぱち、と私に向かってウインクをした法師さんはすっと頬を撫でて私の頬に、キス、をした。


「っ??!?!」
「はは、顔真っ赤
可愛いなぁ、2人共」


ぽん、と頭を撫でられてなんだかすごく、どうしようもない気持ちになった。この人たちが、これから、兄弟になるなんて。


「かな兄!なにしてんだよ!」


法師さんの前にジュリがぴょこりと現れ、法師さんの鼻をガリ、と引っ掻いた。(よくやったジュリ、褒めてあげたい、ジュリ偉いぐっじょぶ!)


「昴、祈織も挨拶しなさい」


右京さんの声に弾かれたように歩いてきた黒髪短髪の少年。きっとこの子達は弟になる子だろう。
(ていうか朝日奈椿と朝日奈梓の場合、私のほうが姉?たしか誕生日、冬だったような)


「こちらは昴、大学生です」

「あの、はじめまして…」
「…よろしく、」


ぺこりと頭を下げた昴くんは、無愛想ではなく女の子が苦手らしい。じゃあきっと、姉と妹が一気にできるなんて嫌だろうなぁ。


「そしてこっちが祈織。
貴女より一つ上の高校三年生です」


絵麻を見ながらいった右京さん。ブライトセントレアの制服を着ていることから、かなりの秀才だとわかる。すごいな、すごい兄弟だなぁ。


「あ、ねぇねぇ妹ちゃん達ぃ
お兄ちゃんって呼んでみてくれない?」


え、と絵麻と二人固まる。というか、


「…私のほうが姉だと思うんだけど」
「え、ウッソォ!
美優って誕生日いつだっけ?」
「11月、朝日奈くん1月でしょ?」

「違う違う、俺と梓は12月

でも、そっか。美優が姉さん、ねぇ」


にやり、目を細めて笑う朝日奈梓に、私はひくり、口元が引き攣った。


(今すぐ逃げ出したい)
(一人暮らししたい)
(やっぱり再婚反対だったのよ…!)



20130712

アニメと原作ぐちゃぐちゃになってしまった…



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