突然の告白
bookmark



「…再婚?」
「うん…。
パパから連絡が来てね再婚するって」


第0衝突
突然の告白




「しんっじられない、ほわほわで冒険家ってだけで危なっかしいのに、それに録に帰ってこないのに再婚って…さらには男だらけの兄弟ができる?」


理解できない、と頭を抱えるのは絵麻の姉である日向美優だ。姉の言葉に、絵麻はおろおろとしており肩に乗るジュリも同調するように頷いている。


「ほぅら、ジュリも反対だって」
「で、でも…パパ、幸せそうだし」
「パパが幸せでも絵麻は幸せじゃないでしょ?」


う、と言葉を詰まらせた絵麻にホラ、と口を尖らせる。聞けばこれから、再婚相手を連れて帰宅するらしい。絵麻は学校に用事があるらしいので出かけて行った。














帰ってきた父と、そして再婚相手の朝日奈美和さん。美和さんは美人だった。どこでこんな美人捕まえたの、美和さん趣味悪い…と心の中で悪態つく。
反対だ、とはっきり美和さんの前で言ったけれど、言葉巧みに丸め込まれ再婚が決定してしまった。この家を離れ、美和さんの所有するマンションに移り住むことを告げられ、美優は信じられないという顔をして二人を見る。
(絵麻がいなくて良かった、)


「待ってよ。
美和さんに申し訳ないけど男しかいないんでしょ?キョウダイになるとはいえ私も絵麻も年頃なの、もしも何かあったらどうするつもり?」


美和さんはきょとんとした後に「大丈夫よ」と笑い、だから一緒に住んでねと笑顔で言われた。何が大丈夫なんだ、絵麻は絶対なにかされる。私がいつも守るわけにはいかないんだ、どうしよう。


「私と絵麻、二人で住む」


父は断固反対。若い女二人で暮らすのは危ないと真剣な顔で言われる。
(若い女2人より若い男13人のほうが危ないでしょう…絵麻は可愛いんだから…!)


はぁ、と溜息つくしかない。こうなれば私に拒否権はないのだろう。わかった、と頷くと二人は嬉しそうに笑った。うん、美和さんやっぱり美人だ。


「今週末に絵麻ちゃんと4人で食事しましょう?そこでこれからのこと、色々話したいの


本当は来週にでも移り住んでほしいけど…お仕事忙しいでしょ?だから絵麻ちゃんと二人で都合の良い日がいいと思って…5月末から住んでもらおうと思うの

男だらけで、嫌だと思うけれど…息子達をよろしくお願いします」


先程とは打って変わって、真面目な顔つきで頭を下げられてしまえば、美優はもう何も言えなかった。こちらこそ、と頭を下げるしか出来ず、小さく溜息をついた。



(憂鬱だ…)



20130711

原作も買ったので始めてみた。


prev|next

[戻る]