好みのタイプは




早いもので今日は三日目。
二日目の昨日は、体験を主にしてきた。手作りのペアもの作成だったり、料理だったり。思い出として互いにペアで作ったストラップを携帯につけて、お互いにもう1つ作ってそれは視聴者様にプレゼント。


「早いねーもう最終日だよ」
「ほんと、僕ちんもっと麗奈ちゃんとデートしたかったなぁ」

「はいはい、
さて今日はどこ連れてってくれるの?」


今日は水族館に行こう!と嶺二はにっこりと笑う。助手席のドアを開けてくれたので車に乗り込む。3日連続の助手席は、ちょっとだけ慣れた。


「水族館ってどこの?」
「新しくできたとこなんだけど、この時期はイベントとかもやっててカップル夫婦にはオススメなんだ、だから楽しみにしてて」


運転する嶺二の横顔をビデオで撮るのも慣れた。かっこいい、と思うのは変わらないけど、心臓は、あまりうるさくない。


「さーレッツラゴー!」
「安全運転でねー」


了解ハニーと言った嶺二。このやりとり、実はこの2日でかなりした。嶺二は運転がうまい(と思う)し、安全運転なのはいつもなんだけど、一応。


「そういえばさ、」
「ん?」

「麗奈ちゃんってどんな男性が好みなの?」
「はい?なによ突然」

「んー、そういえば麗奈ちゃんって、インタビューでもあんまり答えないよなーって思って」


確かに、私はあまりインタビューで聞かれても答えない。面倒くさい、とかじゃなくてシャイニーにあまり答えるな、と言われている。


「うーん、特にないかなぁ
好きになった人がタイプだよ?」
「テストの答案みたいな答えアリガトウ……うーん、そうじゃなくて

身長は、麗奈ちゃんより高くなきゃ嫌、とか!」
「特に。身長でその人が決まるわけじゃないもん、低くてもいいよ」

「じゃあ年齢!
何歳から何歳までOK?」
「うーん…犯罪にならないくらいから、両親より下まで、かなぁ」


答えると、結構範囲広いねと嶺二は笑う。そういう嶺二は?と問うと「僕ちんはファンの子がタイプだよん」という。うん、アイドルの典型的な解答アリガトウ。


「強いて言えば、いつも笑顔で気配りができて、料理がうまいことかな」
「へぇ、まぁ笑顔は大事だよね。
、一緒にいて楽しくて笑顔で、厳しかったり優しかったり、人としてちゃんとしてる人がいいなぁ」


ふむふむと運転しながら嶺二は考え込み、「それって僕ちんに完璧当てはまってるよね」と真顔で言う。


「あはは、寝言は寝て言おうね?」
「麗奈ちゃん酷い!」

れいちゃん泣いちゃうよ!?と声を上げた嶺二にはいはい水族館までゴーだよーと言えば、しょぼくれながら前を向いた。


好みのタイプは


(誰、なんてわかんない)


20130806