その場で解散となり、4人は部屋から出ていった。私も、なんだかピアノを弾きたい気分で、蘭丸の曲を作りたいし春歌とは違う練習室に向かっていた。
「やぁ、レディ」
「っ、レン君」
考えながら歩いていたら突然声をかけられてビクリと身体が揺れた。低い、耳に響くこの声はレン君で。ぱちんとウインクをして私の隣を歩きだした。
「こんな時間にどこ行くの、危ないよ?」
「今から練習室行くだけよ?いいメロディ浮かんだから」
「じゃあ俺もご一緒していいかな、レディ?」
恭しく私を見るレン君は流石御曹司といったところか、様になっている。いいよと言えばありがとうと手をとられて甲に口づけられた。
「な、ちょ…っ」
「あれ、照れた?案外純情なんだね」
「…喧嘩売ってる?」
違うよ、と困ったように笑うから仕方なしに許す。女の扱いに慣れすぎだと思うのは気のせいだろうか。
「そういえば、大変みたいだね」
「え、なにが?」
「ランちゃん、最近イライラしてるから…きっとレディと何かあったんだと思ってね」
もう大丈夫だよ、と笑えばレン君はそれはよかったとくすりと笑った。…彼は私より年下のはずなのに、こうも色気があるのはどうなんだろうか。ていうか、トキヤもだけど。
「そういえば、イッチーとは幼なじみなんだって?」
「そうだよ、トキヤは子役からだったし、私の家族が家族で子役として活動してたときあるから」
事務所は?と聞かれて、私は両親が所属運営している事務所の名前を言うと、あそこかとレン君が言った。お兄さん、元気?と
「兄と知り合いなの?」
「前に仕事で世話になってね。シャイニング事務所だって言ったらレディには手を出すなって睨まれちゃったよ」
肩を竦めるレン君は苦笑して、なんだか申し訳なくなった。私の兄は極度のシスコンだから…また色々な人に迷惑が
「ごめんね、兄は私と姉のことになると酷くて…言っとくから」
「いや、いいよ。
いつかお義兄さんって呼ぶことになるかもしれないだろ?」
ぽかんと口を開けてしまった。レン君は楽しそうに笑うと耳に顔を近付けてその低い声をさらに低くした
「君の曲を聞いて興味がわいたんだ。子羊ちゃんの曲とは違った魅力に、ね」
「っ、からかうのはやめて」
「からかってなんかないさ
本当は、ずっとレディと話したいと思っていたよ。機会がなくて話せなかったけど、ね」
レン君はちゅ、と頬にキスをして手を挙げてじゃあまたね、と部屋に戻っていった。
え、え、えぇえぇぇ。
なに、いまの、え、ちょ
セクシーボーイ
20130629
やっとレンレン出せた…!けど特徴が掴めないのとイマイチ本気だとわからせられないのが難点。
難しいですね、レン君