今日は晴天。
そして、仕事はなんと珍しくお休み(シャイニーと龍也に休ませて!と頼みまくって良かった…)。
絶好のひなたぼっこ日和である。
「あー…気持ちー」
「ホント、疲れがなくなるというか…」
「那月、ぴよちゃん抱きしめたまま寝ちゃうの?」
「はいっ
あ…麗奈さん、ぴよちゃんは?」
ぴよちゃんを抱きしめたまま問われて、部屋のベッドで就寝中ー!と草原にごろりと寝転びながら言うと、那月はくすりと笑ってぴよちゃんを差し出してきた。
「え、でも」
「いいんです、はい」
「う、ありがと」
いいえ、と綺麗に笑うから、顔に熱が集まった。起き上がってぴよちゃんをぎゅうぅ、と抱きしめた私を見て、那月は嬉しそうに笑いポンポンと私の頭を撫でる。
「あ、ぴよちゃんいい匂いする」
「わかります?ぴよちゃん、昨日お風呂に入ったんです」
「そっかぁ…だからいい匂いなんだ」
「ぴよちゃんもいい匂いですけど、ボクは…麗奈ちゃんのほうがいい匂いだなぁって思いますよぉ?」
私がぴよちゃんを抱きしめるように、那月が私をぎゅっと抱きしめた。う、あぁぁ、すっぽり埋まってる、感じが、するんだけども。
「麗奈ちゃん、ふにふにしていて気持ちいいです」
「な、那月…!」
「ぴよちゃん代わりに、ボクは麗奈ちゃんをぎゅってして寝ますね」
え、と言う間もなく、那月は私を抱きしめたままごろりと寝転がる。眠たかったけど、眠気が、飛んだ…!
「はぁー、麗奈ちゃんはいい匂いでふにふにで、お日様はポカポカで素晴らしい日ですねぇ…!」
「ふふ…なんか、ん?って思う言葉もあるけど、あったかくて気持ちいいねぇ」
諦めて、那月に抱きしめられたまま。ドキドキと心臓はものすごく五月蝿いのに、ポカポカと暖かい日差しにだんだんと眠くなってきて。隣の那月を見ると、まだ数分しか経っていないのにふにゃふにゃ言いながら眠っている。
「ふふ、おやすみ、那月」
ドキドキは薄れて、暖かくて安心して。そのまま那月に寄り添って眠気の限界に耐え切れず、夢の世界に飛び立った。
「……い………ろ…!」
「ん、…んぅ…?」
誰かが私を呼んでいる声がする。誰?いま折角気持ちいいのに…!
「おい、那月、麗奈!起きろって!」
「麗奈、早く起きなさい」
「那月も起きてよー!」
身体を揺らされてうっすらと目を開けると、那月も目を開けた。わ、顔がさっきよりち、近い!!
「わ、な、なつ…」
「おはようございます、麗奈ちゃん」
すっごくいい夢を見ちゃいました、と那月は柔らかい笑みを浮かべる。確かに私も、なんだか幸せな夢を見ていた気がする。一緒になってくすりと笑うと、怒号が響いた。
「おいコラ那月!!!
お前なにしてるんだよ!」
「あれ、翔ちゃん?
皆も、いらしてたんですか?」
那月は私を抱きしめるのをやめゆっくりと起き上がる。私も欠伸をしながら起き上がると、そこにはST☆RISHの皆が揃っていた。
「あれ、皆帰ってたの?
おかえり」
「あぁ、ただいま…ってちげぇよ!」
「もー、ダメだよ麗奈、那月も男なんだから抱きしめられて寝るなんて無防備すぎ!」
音也と翔に説教されながら、私は苦笑する。うん、わかってたけどやっぱり怒られるよねぇ…。
「ごめんごめん。
…けど、久々にぐっすり寝れたなぁ」
「…眠れていないんですか?」
「仕事と、あとまぁ…色々あってね」
トキヤは心配しているようで私を見る。大丈夫だと言っても、トキヤは聞いてくれないだろう。
でも、これはやっぱり後輩には話したくないことなわけで。トキヤもほぼ同期…というか年下だけど先輩だったらするから、言っても、いいんだけど。…言いたく、ない。
「ホントに大丈夫なの
もし辛くなったら、聞いてくれる?」
「当たり前です。貴女はすぐに溜め込みますからね」
「ふふ、さすがはトキヤくん」
からかわないでください、とむっとしたトキヤにありがとうと言えば、トキヤは少しだけ頬を染めて顔を背けた。
ひなたぼっこ。
(だから、ごめんね)
20130617
1日あいてしまいましたが…やっとアニメ5話の時系列でのお話に進めました!
今回はなっちゃんのターン!
最近元気がなさげなヒロインを外に誘って一緒にひなたぼっこするお話でした。
ST☆RISHがいると書いたくせに御曹司組が空気。