とりあえず寮に戻ってからは大変だった。
セシルくんは廊下のソファで寝ていてST☆RISHを煽るような言葉をはき、さらにはカミュを小馬鹿にしたような言葉をはいた。本当に寝言なのか疑わしかったが、カミュが怒鳴り散らしてセシルくんの首根っこを掴んだとき彼はかなり驚いていたから本当に寝言だったんだろう。
「あれで伯爵なんて笑ってしまいますぅ、か…ふは、」
「ぶふっ、麗奈ちゃんそれ言わないでツボるから…!」
残された私たち、そして先ほどセシルくんが言った言葉を復唱すると嶺二が吹き出した。あの場で笑わなかったのはすごいと思う。カミュの目の前で笑っていたら何されたかわからないし。
「さ、てと。
セシルくんはカミュに任せておけばとりあえず安心だし…トキヤ、準備しよっか」
「…そうですね、行きましょう」
じゃあね、と皆に手を振ろうとした刹那、私の携帯が着信を知らせた。画面を見れば、それはシャイニーからで。なんか、かなり嫌な予感がした。が、でないわけにはいかないし、はい?と出ると「ハーイ!ミス一条ー!」とどでかい声が響いて携帯を耳から話した。
「シャイニー声でかすぎだよ。…で、どうかしたの?」
「これからミス一条とミスター一ノ瀬が向かう現場にー!ST☆RISHを招待シマース!」
「……は?」
聞けば、これから彼らもドラマの仕事も来るだろうということで、見学とエキストラ出演のために招待するとのことだ。
確かに現場を見るのは勉強になるし、やる気に繋がるだろう。仕方ない、行こうか。
「皆、聞こえたでしょ?
シャイニーが車回してくれるみたいだから急いで準備して。
集合は30分後、遅刻厳禁。」
「「「はい!」」」
ドラマの撮影見学なんてワクワクしますね翔ちゃん!と那月くんははしゃいでいて翔くんは、おう!と、これまたはしゃいでいる。音也くんはトキヤににこにこしながら話しかけていて、レンくんは興味なさげだが、少しだけ目が輝いた気がする。真斗くんは私に近付き、お願いしますと頭を下げた。律儀な子だ。
「心配はしてないけど、頑張って」
「帰ってきたら連絡ちょうだいっ」
「…ヘマすんなよ」
3人が声をかけてくれたので、にっこり笑って行ってきます!と手を振ると、嶺二と藍が振り返してくれた。
ドラマ撮影見学
20130502
なぜこんなことに。
人数増やしたら文字数ひどいことになって収集つかないのに…!私のバカ!(←)