かるてっとないと




「え、マスターコース一人増えるの?」
「そ、ミューちゃんが担当する子がね、多分明日には来るんじゃないかなってシャイニーさんが言ってたよ」
「カミュが先輩…大変そうね後輩も」

「…どういう意味だ愚民」


ST☆RISH、春歌、そしてマスターコース担当の3人と温泉に行ってから一週間が経ったある日。事務所で新しいアルバムの話をしていたときのことだ。
あ、と思い出したように嶺二が口を開き、シャイニーがどこかの国の王子様をスカウトしたからマスターコースに入るんだって、と言い出した。QUARTETでカミュ以外がマスターコースに就いていたから何かおかしいと思ってはいたけれど…そっか、カミュもマスターコース担当になったんだ。

先週、カミュだけおいていった事に彼は相当ご立腹で、いつもの倍の甘いものを要求されたのは記憶に新しい。マスターコース担当になり寮生活を送ることになったから、これからは今まで以上にスイーツを要求してくるんだろうなぁ。


「けどさカミュ、あまりいじめちゃダメだよ?」
「どう扱おうが俺の勝手だろう。貴様には関係ないことだ」


…うん、伯爵という地位にいるからかこの子は蘭丸より生意気である。年下のくせに生意気だ。(大事なことだから2回言いました)


「ま、いっか。
さーアルバムの話するよ」
「僕ちんアップテンポの歌いたい!」
「4人で歌う曲はちゃんと考えてるから安心して」

「じゃあ今日は話はソロ?」


今まで静かに聞いていた藍が口を開いて私を見る。そうだよ、と笑うと藍は何かコンセプトあるの?と首を傾けた。


「今回はね、皆にとびきりのラブソングを歌ってもらおうと思って」
「お、いいねぇっ」

「蘭丸はこの間聴いたでしょ?」
「…あぁ」

「嶺二も聞かせたよね?」
「うん、あの曲すっごく好きだなぁ」


蘭丸と嶺二はそれぞれ返事をして、楽譜を渡す。嶺二はきっとラブソングは自分で歌詞を書けるだろうと思って歌詞に入れてほしい言葉や表現の書いた紙を一緒に渡す。蘭丸に渡した楽譜には既に完成した歌詞も一緒に書いてあり、それを見た蘭丸が一瞬眉を寄せた。


「蘭丸、文句は言わせないよ?自分でとびきり甘い歌詞書けるなら言ってもいいけど」


言うと。蘭丸はチッ、と舌打ちをしてまた楽譜に目線を戻した。


「藍とカミュのはこれから作るけど、歌詞は二人共自分で考える?」
「ボクは自分で書くよ。女性が喜ぶ言葉を沢山使えばいいんでしょ?」

「カミュは?どうする?」
「貴様…この俺に愛の言葉を歌詞にしろと言うのか、」

「書けないなら私が書くから安心して。…ちなみに、歌詞はこんな感じ」


蘭丸の楽譜をひょいと奪ってカミュに渡すと、彼は目を見開いてワナワナと震え、ぎろりと私を睨みつけた。


「…自分で書く。貴様のような愚民に任せられるはずがないだろう!」
「うん、よろしくー」


こうなったカミュは面倒くさいことこの上ないから、さらっとスルーして次の話題に。4人の曲の他に、2人で歌う曲も考えないといけないなぁ。

聞いているのか!と怒鳴り散らすカミュの声は敢えて聞こえないフリ。蘭丸も藍も同じ。嶺二はミューちゃんうるさーいと苦笑していた。



かるてっとないと



(あ、シャイニー?)
(うん、次はラブソングでどうかな)
(了解です社長、任せて)



20130424

温泉旅行打ったらくそ長いことになりそうだったので2話目前のお話に飛んじゃいました(笑)

ミュー様を欲している私かいます。ミュー様ミュー様ミュー様ぁぁああ!(←)

こんな扱いなのは愛があるからです…!愛があります確かな愛が!(←)