お手並み拝見。




「麗奈さんっ」
「春歌、どうしたの?」

「私、わたし…先ほどの麗奈さんの言葉に感動して…!」
「ふふ、ありがと。頑張らないとね新米作曲家さん」
「はいっ!」


ご指導ご鞭撻、宜しくお願いします!と頭を下げた春歌の頭を撫で「私は厳しいよ?」と笑うと、彼女は「臨むところです!」と笑った。


「麗奈」
「あ、どしたのトキヤ」
「少し、聞きたいことが」


カップを持ったトキヤに言われて春歌から離れる。するとトキヤはカップを差し出して、スープの味付けを教えて欲しいと言ってきた。


「いいよ、じゃあ今度また作ってあげるから、その時ね」
「はい…それと、」
「ん?」
「料理、お疲れ様です。とても、美味しいですよ」


目を反らしながら言ったトキヤはほんのり頬を赤らめて。わ、トキヤのデレを見た!と嬉しくなった。周りを見れば、嶺二は音也くんと真斗くんと笑って話しをしていて、那月くんと翔くんはいつの間にか春歌のところにいた。藍はなぜかレンくんといて龍也と蘭丸は二人でお酒を飲みながら話していた。


「トキヤ、さっきお兄ちゃんからメール来てて、近々会おうって」「…わかりました。日にちが決まったら教えてください」


言うと、トキヤは音也くんと真斗くんのところに歩いていった。さて、私は龍也達のところでお酒でも飲もうかな。


「龍也、蘭丸」
「お前、また腕上げたみたいだな」
「へへ、そう言ってもらえると作った甲斐があるってもんよね」


龍也に手料理を食べさせたのは久々だったから、言ってもらえると嬉しいもので。蘭丸は、確か先週、QUARTETの曲の話しで嶺二達と一緒にうちで食べたはずだ。すごい勢いでお肉を食べている。


「…飲むか?」
「あ、もらおうかな」
「飲み過ぎるなよ」
「大丈夫、明日はオフだから」


龍也もでしょ?と問うと、じゃなきゃこんなに飲まないと返事がきた。そりゃそうだ。

ただの夕食で終わると思ったらそうでもなくて、何故か食堂にあるステージにカラオケセットのマイクを持った嶺二が「カラオケ大会の始まりだーっ」と盛り上げ始め、音也くんと翔くん、那月くんに春歌、そして春歌の親友だという渋谷ちゃんがノリノリでさらに盛り上がった。


「さー、まずは後輩の君たちから歌ってもらおうかなー」

「えぇ、そんな嶺ちゃんからじゃないの?!」「いいからいいから!
はい、ST☆RISHの皆はステージあがって!
マイクは全員分あるからさっ」


嶺二?と声をかけるとウインクされて。あぁ、わかった。後輩がどの程度のものか試そうということか。カラオケ大会、と言いながらも、嶺二は彼らの曲のインストを持ってきており、データを入れて「いくよー」と笑った。


さて、どんな感じなのかなぁ彼らは。


お手並み拝見。



(期待は膨らむばかりだ)



20130421


なぜ嶺二がデータを持ってるかと言うと、親睦会をやると電話した直後に龍也に電話し、龍也がデータを嶺二に渡していたという小話があります。

話が進まないのは…無駄な話を入れたがる私が悪いですはい(;ω;)