料理担当、3人



部屋に戻ると、春歌がおかえりなさいと笑ってくれたので釣られて笑った。この子は人を笑顔にする、暖かい子なんだなぁ。だから、ST☆RISHも彼女を慕うんだろう。そんな気がした。


「あの、麗奈さん」
「ん、なーに?」
「今日の晩ご飯、どうしましょう?冷蔵庫を見ても何も入ってないですし…私、何か買って」

「あ、大丈夫だよ
今日は私が作るから安心して」


でも、と眉を下げる春歌の頭を撫でてやり、今日は調理場で料理を作り親睦を深めるために全員で食べることを伝えると、ぱぁっと顔が明るくなり「私、手伝います!」と声をあげた彼女に、頷いた。


「皆さんには、もう伝えたんですか?」

「あ、やっばい言ってないや。ちょっと連絡するから、準備しててくれる?」
「はい、わかりました」


携帯を取り出して、嶺二、蘭丸、藍が部屋にいることを確認すると、夕食は食堂で親睦会の如く全員で食べる旨を伝えると、嶺二は先程のことがなかったかのうにいつも通りに、手伝いに行くねんと楽しそうにしていて。

蘭丸は面倒くさい、そして親睦を深めたところで云々と面倒くさいことこの上なかったのでシャイニーの命令だと言うと舌打ちをして出来たら連絡しろと言って通話を切った。うん、やっぱり一回蘭丸シメる。

藍は、仕方ないからいってあげるよと声のトーンが変わらないまま話していて。嶺二同様手伝おうか?なんて嬉しい言葉をもらったけど、藍ちゃんには蘭丸を連れて来てもらわないといけないから気持ちだけ受け取っておいた。

龍也と林檎にも連絡したら、龍也はお酒とジュースを持って来てくれるらしく、林檎は仕事で少し遅れるけどデザートを買ってきてくれるらしい。

シャイニーにも一応連絡したけど、今日は入学式後の会議やらQUARTETの会議やら私と林檎の会議やらで忙しくて来られないらしい。けれど今から食材を大量に届けてくれるらしく、余ったら(確実に余るだろうけど)各部屋に食材を分けてあげようと思う。


「よーし、じゃあ着替えて行きますかー!」
「はいっ」


春歌はピンクと白のボーダーのパーカーにお揃いの短パンをはいて、ウサギのスリッパをプレゼントしてそれをはかせてみた。可愛い、抱きしめたい。

そして私はというと、龍也に言われたことをすっかり忘れ、グレーのタンクトップに黒の短パンをはいて、春歌とは種類が違うものの同じメーカーが作っているパンダのスリッパをはいて部屋を出た。


「あ、あの麗奈さん!」
「ん?」
「ふ、ふふ服…それで行かれるんですか?」
「うん、変…かな?」

「い、いえ変ではないですが…!」


ろ、露出が…と頬を赤らめた春歌に、ハッとして、部屋から短パンと同生地の上着を羽織り改めて部屋をでた。



料理担当、3人



(はぁー、ありがと春歌)
(え、え、あの…はい、?)



20130420