とりあえず、七海さんは部屋に帰して。私は嶺二達と一緒にST☆RISHと廊下を歩いていた。彼らはまだ担当の先輩と同室であることを知らないため、それを知ったときの顔を見るのは楽しみである。
蘭丸の言葉に眉を寄せるST☆RISHは、聖川くん、神宮寺くんと挑発的な言葉を発してくる。あぁ、これは怒るわ。でも、ここまでハッキリと言える後輩を持てたことに少し安堵。ここで尻込みする後輩は、この世界では生きていけない。
「ねぇ神宮寺くん」
「?」
「今の言葉って、QUARTET NIGHTだけじゃなく私への宣戦布告ってとってもいい?」
にっこり笑ってみせると、くすりと笑った神宮寺は「レディのお好きなように」と余裕の表情である。…うん、神宮寺くんにはスパルタでいこうかな。
「そう、わかった
そんなに自信がある君達を指導できて嬉しいわ」
嬉しいのは事実である。それが優しくであろうが厳しくであろうが。神宮寺くんには後者だけど。
そして彼らは、先輩には見守っていてほしいと告げた。そう、ここで頼りすぎるのもよくないのだ。蘭丸の言葉は、間違いではないのだから。
「これから仲良くしようよ、同室なんだし!」
「…同室?」
「そ、マスターコースでは担当先輩と同居するんだよ」
嶺二の笑顔にトキヤと一十木くんは驚きながらも少しだけ安心したように息をついた。聖川くん、神宮寺くん、来栖くんは顔を若干引き攣らせ、四ノ宮くんはぽかんとしていた。うん、いい顔が見れた。
「じゃあ、皆一回部屋に行って先輩に部屋の決まり、その他諸々聞いてね
私もそろそろ部屋行って荷物どうにかしないと」
私の言葉に嶺二は頷くと、あとで電話するとだけ伝えて歩き出した。蘭丸は視線だけ向けてくるも興味なさそうに嶺二の後に続く。藍は、「後で部屋行くから」と小さな声で言うと2人に続いた。
「3人共、癖はあるけどいい人だから、ちゃんと言うこと聞いてね」
「はい!」
「ん、素直でよろしい」
先行ってるねー、と嶺二がST☆RISHに声をかけると「はい!」とこれまた元気よく返事する一十木くんに礼儀正しくていい子だな、という素直な感想。嶺二達が歩いていった方を見ていると、不意に視線を感じて。振り向くとST☆RISHが私を見ていたようで。
「なにか、言いたいことありそうね」
困ったように笑うと、目を輝かせた一十木くんが「あのっ」と声をあげた。
「りんちゃん達と同期ってことは、芸歴が結構長いんですよね!」
「うん、そうだよ。もう結構経つなぁ…」
「まだ若いのに、すごいな」
「…あのさ、私って何歳くらいに見られてるの?」
神宮寺くんに問えば、少し考えたそぶりをして、「まだ18くらいだろ?」と笑った。
「残念、君達よりは年上だよ」
質問タイム開始
(なんだか面白かった)
20130418
童顔というわけではないし、春歌よりは年上だろうとは思っていたけど、自分達と同じくらいの年だと思ってたレン様。思ってた年齢より一つ下を言うのが私の中の彼である。