初出勤、好評


色々と考えることはある。けれどやらなきゃいけないこと、頑張っていかなきゃいけないことがあるから。
私は、後ろを振り返っちゃいけないんだ。

朝、宣言通り龍也と林檎が迎えにきてくれて、学園に向かった。生徒は皆可愛くて。素直で。なんとか一か月やっていけそうだなって思えた。ありがたいなぁ。こういう機会、本当はもっと欲しかったなって思ったけれど、龍也も林檎も、アイドルしながら教師、なんていつも大変だったんだなぁって尊敬した。

「さ、て。私、午後から用事あるから帰るね」
「初日お疲れさま、生徒からも麗奈先生の授業わかりやすかったって評判いいみたいよ?」
「ほんと?嬉しいなぁ…教師なんて一生やることないと思ってたから、反応怖かったんだ」

林檎の言葉にほっとして息をつく。朝礼で教壇に立ってクラスを見まわして、皆が私を見ていて。なんていうんだろう。テレビに出てるときや、ライブとは違う、それよりも緊張したかもしれない。麗奈先生、なんて呼ばれてなんだかくすぐったくて。可愛いなぁ、後輩がこんなに沢山いて、私から色々なものを盗もうと頑張ってる。もってるもの全部あげたい、教えてあげたい。そしていつか一緒に仕事をしたい。午前だけだったけれど、本当にそう思えた。

「麗奈」
「龍也?」
「オッサンに聞いた。午後は四ノ宮の付き添いだろ?」
「そうだよ、翔に頼まれたの」

「なっちゃんの?」
「なんとかなるとは思うが、無理はするな。怪我しそうになったらすぐに逃げろ」

龍也の言葉に、そんなに那月の中にいるもう1人は危ない人なの?と不安…というか、なんというか。
春歌もいるし、なにか危害を加えてくるような子なら、守ってあげなきゃ、そんな風に思った。

「場所わかるか?」
「うん、トキヤから聞いてるから大丈夫」
「終わったら連絡ちょうだい。迎えに行くわ」
「え、でも」

いいの、という林檎と龍也に甘えることにした。けど、多分ST☆RISH集まると思うし、皆でご飯でも行こうと思ったんだけどなぁ、と考えたけど。最近、林檎と龍也と一緒にいることが全くなかったから、3人でご飯食べに行こうかな。

「じゃあ、連絡するね。その後ご飯食べにいこうよ」
「いいわね!どこがいいか調べておくわっ」

にっこり笑う林檎と、口元を緩めた龍也。やっぱり、心地よい。

初出勤、好評


(さて、春歌と合流しなきゃね)


20140327
お久しぶりです。