※R15

「…眠いの?」


藍の声が聞こえる。閉じかけた目を開けると呆れたように、でも優しい瞳とぶつかる。へらりと笑えば溜息をついた藍は梳かすように私の髪を撫でて「寝たら?」と口を開いた。


「やだ、起きてる」
「でも眠いんでしょ
最近特に忙しいみたいだし…寝たら?」

「やだやだ、藍と話す」
「ボクは逃げたりしないけど」


そういうことじゃなくて、久々に会えたのにこのまま寝るなんて勿体ないんだもん。次いつ会えるかわからないし。藍だって最近QUARTET★NIGHTが本格的に始動してるから忙しそうだし。


「キミが倒れたら、会えなくなるよ」
「大丈夫、倒れないもん」

「はぁ…仕方ないな」


あ、やばい目閉じそう、なんて思っていたら突然の浮遊感に一瞬眠気が飛んだ。


「あい?」
「ベッド、いくよ」
「寝ないぃ…」

「眠そうな顔してよく言うよ。いいから、大人しくしてて」


この揺れが、眠くなるんだよなぁと考えながら藍に身を任せる。寝室にあるセミダブルのベッドに下ろされて、藍はベッドの端に座った。


「寝なよ、美月が眠るまでいてあげるから」
「やだ、ずっと一緒がいい」
眠いと普段言えないことも言えるんだなぁと自分に感心した。いやでも次の日とか恥ずかしくてやばいんだろうけど。


「…仕方ないな」
「うひゃ、藍…?」
「キミが一緒がいいって言ったんだよ。だから、我慢」

「え、ちょ…ひゃ…っ」


私の上に乗り上げた…というか馬乗り体制になった藍はゆっくりと顔を近付けて私の額に唇を落とした。次いで頬、鼻、唇に。あぁ藍とキスするの久しぶりだなぁ、気持ちいい。


「ふっ…んんっ」
「…かわい」

「ひゃ、ちょ、耳やぁっ」
「すごい、鳥肌立ってる」


耳たぶをぱくりと噛まれて舌でちろりと舐める。ぞわ、と鳥肌。不快なわけじゃなくて、むずむずする感じ。恥ずかしい、やばい。


「ピクピク震えてる…嫌?」
「ちが、そうじゃな…んっ」


するりと指で首筋を撫でられて身体が跳ねる。やだなに、どういうこと、藍がこんなことするなんて…!


「くすぐったいの?それとも、」


「気持ちいいの?」と耳元で息を吹き掛けながら言われて顔が熱くなる。そして下腹部がきゅんとした。うわぁやばい、これ15歳(仮)の色気じゃない。


「顔真っ赤」
「、るさい」

「ねぇ、キスマーク付けていい?」
「は、…だ、だめ!」
「大丈夫、見えないところにつける」


そういう問題じゃなくて、と言っても藍は聞く耳持たずで私の服を捲りあげた。うわぁ今日可愛い下着付けてない…!ちゅ、ちゅ、とわざとらしく音を立てて胸元に唇を落としながら、服で隠れる位置をきゅ、と吸い上げた。ぴく、と身体が反応するのは、仕方ないと許してほしい。


「ついた」
「…ばか、」

「ボクの、シルシだね」
「なっ」


普段なら絶対言わないだろう台詞に、口を開閉させるしかできない。なにこの子あざとい。可愛い、好きすぎる。


「ねぇ美月」
「な、に?」

「キスの続き、しようか?」
「?!」


それは素敵なお誘い


(ななな、藍、本気?)
(当たり前でしょ)
(や、でも藍無理じゃ…)
(博士が無駄にそういう機能も付けたから大丈夫、ちゃんとできるよ)

(いやそれでも年齢とか、ね?!)
(…いや?)
(嫌じゃない!)

(じゃあ、いいよね?)


20130927
どうしてこうなったぁぁぁああ!もっときゅん要素入れたかったのに…。
そしてAS続編決定ということでこの台詞使いたかったんです