※ギャグ

「ねぇ美月ちゃん、」
「ん、なーに松岡さん」
「渚くんがちらっと言ってたんだけど…筋肉、好きなの?」
「!!」

「…もし良かったら、中入って見てく?」
「え、でも」
「美月ちゃん美術部だし、水泳部の絵を描くって名目なら、どうぞ!」


お友達の渚くんに見においでよと言われ、水泳部イコール水着イコール半裸という不純な動機で見に来ることにした水泳部。松岡さんは目を輝かせながら聞いてきた。そしてきっと、今の私の目は輝いていただろう。大好きなのだ、筋肉が。綺麗なラインに口が緩んでしまうのだ。正直、先程から渚くんや竜ヶ崎くんの身体に声をあげそうだった。


「いいの?」
「もちろん!そのかわり、出来たら見せてくれる?」
「うん!」


こっち回ってきて、と言われてお邪魔する。椅子には先生が座ってて、松岡さんが説明するとにっこり笑い、どうぞーと言ってくれた。感謝だ。


「…うわぁ…やばい、綺麗すぎるうわ、うわうわ…!胸筋も腹筋も背筋も…うわぁ大殿筋が、大腿二頭筋が…!」


鉛筆で描きながら、興奮がおさまらない。やばい、毎日こんな素敵筋肉を見られるなんて松岡さん羨ましい…!


「美月ちゃん、どう…って、きゃぁぁあっ」
「ま、松岡さん…?」

「松岡さんじゃなくて江って呼んでっ、ていうか綺麗…すごい!…この、この小胸筋の線が…っ」
「っ!江ちゃんわかってくれる!?」

「この大腿二頭筋やばいぃ…!はぁぁあこの腹筋も…っ」


口に手を当てながら目を輝かせる江ちゃん。あぁ仲間がいる、ここに私の仲間が…!


「ふくらはぎのね、あのラインがすっごく綺麗で…やばいよ…!江ちゃんいつもこんな間近で見られるなんて羨ましい…!」
「いつでも、いつでも来ていいから!そして描いたの見せてぇえ!」
「見せる、見せるよ…!
あぁぁぁああの三角筋やばいぃぃ!」

「遥先輩も真琴先輩も綺麗な筋肉なんだよ…怜くんは流石元陸上部ってくらいの素晴らしい筋肉だし…!」
「渚くんが実はあんなに筋肉あったなんて…脱いだらすごいって…反則だと思うの…!」

「わかる!渚くんは反則だよね…!あの可愛さであの筋肉…たまんない!」


4人が、私と江ちゃんを見て盛大に引いていたことに、私達は気付いていなかった。

そして、ぱちりと目が合った相手、真琴先輩に私が恋をするのも、まだ先のことである。


筋肉フェチ


(筋肉ばんっざーい!)
(ばんざーい!)

(あの2人、追い出そうか…)


20131023
なぜまこちゃんなのか。
それはいずれこのヒロインとのまこちゃん連載(中編)を打ちたいからだったりします