いぬぼく | ナノ

01

「ちょっと反ノ塚。アンタまたやっちゃってくれたらしいわね」

「あー?なにが?」


冷たい視線を向ける野ばらに対して至って普通な反ノ塚。こんなにも怒ってる原因は一つしかない。ラウンジには早朝からやかましいと言っていいほどの怒鳴り声が響いた。(主に野ばらの)



「・・れんちゃんと野ばらちゃんどうしたの?」

起きてくるのが一番遅かった名前は言い争ってる内容が分からないため小首を傾げる。横にいた夏目に問いかけた。


「れんれんは〜女の子のところにいたみたい。堂々の朝帰りだってえ〜」


面白がるようにきゃはっと告げる夏目に名前は「へえ・・」としか返せなかった。


「だいたいアンタはねえ・・!聞いてるの!?」

「へーへー。聞いて・・お
名前!おはよ」


いつもの優しいれんちゃんの笑顔。いつもは嬉しいのに。地球一周しちゃったぶんみたいに心がきゅうんってなるはずなのに。・・変だな。こんなれんちゃんの朝帰り話なんか日常茶飯事なのに。


「・・おはよう。れんちゃん、野ばらちゃん。」


どうしてこんなに胸が痛むの。


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