( お悩み政務官 )
朝ー
寝返りをしたジャーファルは手がなにかにあたり不思議に思う。手探りで探してみればふにゃん、と柔らかく、暖かい感触。ぼんやりとした頭でそっと目を開けてみる。と、同時にジャーファルの身体は壊れた機械のようにぎ、と止まった。と言うよりも動きが鈍った。隣では本来いるはじのないなまえがすやすやと寝息をたてて眠っているではないか。・・なぜ彼女がここに?落ち着いて考えろジャーファル。私は断じてシンと同じようなことは・・昨夜は異常なほど疲れて、すぐにベッドに潜ったことは覚えてる。そうだとすればトイレかなにかで起きたなまえが寝ぼけて部屋を間違えた。というだけだろう。
「・・ん、・・」
「・・・!?」
ごろん、と横向きだった身体を正面へむける。空いた衣服の隙間から露出される白い肌。普段着ている服だけじゃなく、寝巻着までもそんな乱れた格好なのか。彼女は。
ふわりと花のようなシャンプーかボディソープか。そんな彼女らしい匂いが鼻を霞める。その瞬間、どきん、と考えられないような音で胸が高鳴った気がした。なぜだか顔が熱く感じる。当の本人は起きる気配は全くなく未だ夢の中。
それにしても間違えたのが自分の部屋でよかった。そうじゃなかったら大変なことに・・
そこでジャーファルはなにかに気がつく。
(・・なんかおもしろくありませんね)
ほかの自分以外の男の部屋だとしたら、と思うだけで自分のなかの感情が抑えきれなくなるのを感じた。だけどそんなことは絶対ない。ありえない。
自分は相当疲れているのかもしれない。