100000 | ナノ



私は最強と呼ばれる兵士様がキライだ。
いくらエレンを調査兵団に置きたいからってあんなに殴ったり蹴ったりしなくてもいいと思う。ただでさえイメージがあまりよくないと噂になっているのに。だが、しかし、わたしの中では最悪、大嫌い、近寄りたくない、まだまだ沢山でてくる。いまも兵長の隣で書類をまとめるため仕事をしているが、どうだろうか。会話が、ない。少しくらいあってもいいんじゃないかって思うのだが、会話がまったくないのだ。話かけても返事ないし、もうほんと、疲れた。仕事を終わらせて部屋からでようとすればドアがノックされてエレンが顔をだしてきた。

「兵長、少しいいですか?」
「あ、じゃあ私仕事終わったからでていくね」


でていこうとすればエレンに呼び止められた。


「あ、あのっ!名前、さん!後で一緒にお茶でもどうですかっ!?」
「え、」


顔を赤くさせて誘うエレンがなんだかすごく可愛くて思わずにやけながら笑ってしまった。


「うん、いいよ。部屋の外で待ってるね」
「は、はいっ!」


なんて嬉しそう。可愛い。、ふと横目で見れば背筋が凍った。兵長様の顔が怖い。なに遊んでんだ、と言われてるようで。私だってたまには息抜きくらいしたい。


「おい、エレン」
「はい!」


どす黒い声にエレンが反応し、慌てて返事をする。どうやら本当にご機嫌ななめらしい。


「誰が遊んでいいといった、」
「え、ですが今日の分はもう終わって・・」
「名前はこの後も予定がある、テメエなんかに構ってるヒマはねえんだよ、分かったか」
「少しぐらい休んでもいいんじゃないですか?」
「ああ?」


よしエレン!もっと言ってやれ!


「もしかして兵長、兵長も名前さんとお茶飲みたいんですか?」


この言葉に部屋が静まりかえる。兵長が、私と、お茶を飲みたい?はは、んな馬鹿な。地球がひっくりかえってもありえない。


「はっ、ふざけるなよ、エレンよ
誰がこんな女なんかと、」
「私だって誰があなたみたいな人と、」


腹立つ。やっぱ大嫌いだ。


「じゃあ名前さん行きましょうか」
「うん」
「五分で戻ってこい」
「はあ!?」


なんなんだこいつ。ほんと意味わかんない。ああ、もう。泣きたくなってきた。考えるのめんどくさいし、

だから私は思い切り叫んでやった。


「だったら一緒に来い!」


そのときのなんとも不愉快そうに顔を歪めた兵長と残念そうな、泣きそうな顔をしたエレンがいた。