それはストーカー行為よ



「ふぅ・・・隊長の部屋は・・・」

部下であるルナはクリスに用事があり
クリスの部屋の前までやってきた

インターホンを鳴らそうと
指を添えれば扉の向こうから
クリスであろう声が聞こえてきた


「愛しているよ・・ルナ・・・」


「・・・え?」


ルナは耳を疑った
クリスが自分を愛しているという言葉をハッキリと
耳にしたためにルナは一気に顔が
ゆでだこのように赤くなった


しかし、インターホンを鳴らすに
鳴らせずただ呆然と部屋の前で立っていた


「隊長・・・まさか・・・私を・・・」


「あら、ルナクリスの部屋の前でなにしてるの?」


「ジル・・・」


すると向こうから歩いてきて
声をかけるのはジルであった


「その書類渡さないの?」


ルナの持つ書類を見るや
ジルは問う
扉の向こうからは合いも変わらずクリスの声は聞こえる

「クリスいるじゃない」


「で・・・でも・・・そのっ」


「ルナ・・・ルナ・・・あぁ・・・どうしてそんなに可愛いんだ」


「・・・そういうことね」


ジルもクリスのその言葉を耳にして
ルナがなぜつったているのかをようやく理解した

ジルは呆れた表情を浮かべては
扉をノックすると


「クリス!あなた何してるの?!」


「あ・・・ジルっ」


ジルが呼びかけるとルナは慌てるが
そんなことなどお構いなしにノックをし続ける


「ジ・・・ジル?!」


ひょこりと顔をのぞかすクリスに
ルナはそっとジルに隠れ


「ちょっと・・・何これ!」


「あ・・・や・・・これはだな」


「わわっ・・・・」


「ルナ?!」


ジルがバンっと扉を開けば
ルナの写真などが床に並べられてるのを目撃した
もちろんルナもそれには驚いていた

クリスはルナの姿を視界にはいれば
あわててその写真を片付けに走る


「ちょっと!クリス、それはストーカーよ?!」


「わっ!ジルやめろ!!」


ボカボカと殴るジルにクリスは
防御に必死で写真はひらりひらりと舞っては
ルナの足元へと落ちる


「・・・え?!」


そこにはルナが休憩室の机で寝てしまっていた
寝顔が写っていた


「たい・・・ちょ・・・・」


「ルナ・・・すまない、そんなつもりはなかったんだっ・・・・つい・・・・」


「ついってなによ!クリス!あなた隊長のくせにけしかりません!!!」


「やめろジル!痛い!痛い!」



まさか隊長が自分をこんな目で見られていたとは
知らなかったルナは何とも言えない気持ちになっていた

クリスはジルにおとがめをくらっており
散々な様子だ


「ジル・・・もういいよ、とりあえずクリスとじっくり話すから」


「ルナに何かしたら私が許しませんからね」


「しないよ・・・」


出て行く際にジルはクリスの尻を勢いよく叩けば
気持ちのいい乾いた音が部屋へ鳴り響いた


叩かれた尻をさすりながらルナの前に立つと
ルナは顔を合わすのができないのか
下を向いていた


「隊長は・・・どうして私を?」


「早く言えば大好きなんだ・・・だが振られるのが怖くてついこんな真似を・・・」


「そうですか・・・・」


クリスの本音を知りルナはゆっくりと
顔をあげてクリスの目を見ると

悲しげな表情と面目ない気持ちを伝える
クリスにルナはふわりと微笑む


「そうならそうと・・・言ってくれればよかったのに・・・」


「え?」


「私も隊長のこと好きでした・・・だからチョコ・・・隊長にしか渡してないんですよ?」


そんなことなど知らなかったクリスは
目を丸くして驚いている

こそこそとしていた自分が恥ずかしくなったのか
クリスはルナの肩をもち


「バレンタインのお返しは・・・用意できてないが・・・その代わり・・・俺の愛をたっぷりと体に」


「それは結構です」


きっぱりと断られてクリスは
大分ショックだったのか、力なく崩れていった


「愛よりも、隊長からの言葉がほしいのです」


「・・・言葉?」


「はい・・」


コクリとうなづき
ルナはふわりとまた微笑む

クリスは咳払いをし
姿勢を整えてまっすぐルナを見つめて


「俺はルナを愛している・・・好きだ。付き合ってくれ」


「はい・・・喜んで」


クリスの精一杯の気持ちを受け取ると
ルナからクリスへと抱きつき

幸せそうに微笑んだルナだった


---END---








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