お試し





「ルナ・・・・バレンタインデーありがとな。そのお礼だ」


「わぁ、マシュマロだぁ〜」


誰もいないラウンジに好きなルナを呼び出し
昨日用意したマシュマロを渡すと
ルナは嬉しそうにそれを受け取る


「マルコとマコーレー君だけだよーちゃんとお返しくれるのー」


「マコーレー?あいつ・・・おれより先に・・・・」


「ん?マルコ?」


自分がいの一番ではなくフィン・マコーレーに先を越されたことに
悔しくてマルコはふるふると握りこぶしを作っていた


「あ、いやなんでもない・・・」


「でも、ありがとう!」


それじゃぁっとルナがラウンジの出入り口に向かおうと
マルコに背を向ければ


「ま、まて!」


「ん?まだ・・・何かあるの?」


ホワイトデーのお返しをするために
呼び出したとばかり思っていたルナは

振り返り要件を伺う姿勢をとる


「ルナの本命って・・・だれだったんだ?」


「え?本命?・・・・うーん、とりあえず用意した感じだから本命はないかなぁー」


「そ・・・うか・・・・」


「どうしたの?」


とりあえず用意しただけ

そんなルナの気持ちにマルコは内心ガックリしていた
だが、本命が誰でもないと知りチャンスはあると
マルコはポジティブに考える


「俺は・・・ルナからもらえてすごく嬉しかった!」


「よかった、喜んでもらえて」


「だがそれだけじゃ・・・ないんだ」


「え?」


マルコはルナに歩みより



「俺は・・・ルナが好きだ・・・ずっとこれからも・・・」



「マルコ・・・」



「振ってくれても構わない、だが俺は諦めない」


先ほどの暖かい表情とはうって違って
マルコは真剣な眼差しでルナを見る


そんなマルコの態度に
ルナは顔を赤くして


「こ・・・こんなの初めて・・・」


マルコから視線をそらし
顔を下に向けてはもじもじとするルナ


「うんと・・・告白されたのがマルコが初めてなんだけど・・・どうすればいい?」


「・・・・へ?いや・・・それは・・・ルナが決めることだ・・・・が?」


思いのよらない返事が返ってきたことに
マルコは慌てふためく


ルナもこういったことが
初めてなものでどうすればいいのか悩んでいる


「無理して俺と付き合う必要はないが・・・お試しで・・・どうだ?」


「お試し?・・・・うん!お試しする!」


お試し期間を設けてることで
ルナが自分との距離が縮まり新たな展開へと
導くようにと

そう願うのであった



---END---





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