チョコより君が



「はぁ・・・バレンタインかぁ・・・」


「なに、ルナはあげる相手いるのか?」


肘をついてため息をもらすルナに
隣に座っていたルポが反応する


「ベクターにあげようと思ってるんだけど・・・受け取ってもらえるか正直怖くて」


「その包み紙はそのためのものだったか、なに、受け取ってくれるさ」


ルナの手元に可愛くラッピングされた箱を横目で見たルポは
笑ってルナを安心させるために勇気づける

バレンタインデーは男女
ワクワクしているものである。

「この間のことがあってさ・・・」


「まぁ、アイツは神経質だからな、最近色々あってストレスが溜まってるのさ」


「でも、別に私にあたらなくても・・・」


以前にベクターに当たられたことがきっかけで
声をかけづらくなっているルナ
それを知っているルポは、フォローをいれるが


「それについてはあいつも反省している。私が怒ったのもあるんだが」


「だけど、目も合わせられないよぉ」


ギュっとチョコのはいった箱を掴む
どう話をすればいいか、タイミングはどうか
色々頭の中で考えるが、なかかな踏み出せない事実


「今日はバレンタインだ、他の男もチョコもらえるかもらえないかで会話はもちっきりだ」

「その中にベクターも?」


「まぁ、あいつは欲しい人物からもらえればそれ以上はいらないって言ってた」


「欲しい人物・・・?」


「お前しかいないだろ?あいつは怒ってないしお前を待っている」


ポンとルナの肩に手をのせ「ほら行ってこい」と
親指で入口の方向を指すルポ

少し考えてルナは椅子から立ち上がり
ラッピングがされた箱を両手で持ち

ベクターがいるであろう方向へと
歩もうと足をゆっくり前にだす


「怖がる必要はない、あいつは受け取ってくれるさ」


「ありがとう、ルポ」

恐る恐る前をすすむルナの背中を
黙ってみつめるルポ



「まったく世話が焼ける子達だ・・・」


ポツリというルポの言葉は
ルナに届くはずはなく、ルナは振り返り
ルポにお辞儀をする


そしてそのまま、バレンタインの話で
盛り上がる男たちの声が聞こえてくる部屋の前まで
たどり着いた


扉をノックをするが
男たちの騒ぐ声で聞こえていないらしい

立っているのも拉致があかず
ルナは扉をソソっと開ければ


「おー!?ルナじゃないか!!!チョコくれんのかー?!」


真っ先に気づいた男がルナにチョコをせびる
そんな光景にルナは目をギョッと見開きすぐに
首を横にふれば


「だぁーーー!ルナからもらえねぇーーー!!」


「ざまぁねぇな!ガハハハ」


となんとも騒がしい光景が目にはいる
すると横から腕が見えたとおもいきや

「ひゃっ?!」

考えてる間もなく腕を強く引っ張られ部屋から
飛び出る形になるルナ


「ルナ・・・・・」


「ベクちゃん・・・」


そこにはベクターが立っていた
ルナはキョトンとした表情でベクターを見つめると
頬を赤く染め目だけそっぽむくベクターがいる


「あ・・・チョコ、ベクちゃんに・・・なんだけど・・・受け取ってくれるかな・・・」


「ルナのだったら・・・何個でももらう」


ぎこちない会話をする二人
どちらも目を合わせようともせずベクターは
差し出されたチョコを受け取ると


「すまないな・・・この間」


「う、ううん。ストレス溜まってたんだもんね仕方がないよ」

無理に笑うルナにベクターは
ルナの頬に手を添えて



「なぁ。。。チョコよりもほしいものがあるんだが・・・」


「え?!そうだったの・・・よ、用意できるものだったらなんでもするから言って?」


ルナの目をまっすぐ見つめて言うベクターに
慌てふためくルナ、そんなルナがおかしくて
フっと笑う


「ルナ・・・お前が欲しい」


「ふぇ?!!!わ、私なんて食べても・・・美味しくないよっ」


「美味しいさ・・・・っ・・・・・ほら、美味しい」


ルナの唇を奪っては、舐めて
ニヤリと笑うベクター


ほんのり赤かったほっぺが
ゆでダコのように真っ赤に染まる

頭を撫でてベクターは


「どうなんだ?くれるのか?くれないのか?」


「・・・・あげます・・・ベクちゃんになら・・・私を全部あげます!」


「・・・それ、誘ってるって解釈していいか?していいな。よし、今夜は覚悟しておけよ?」

ョコより君が・・・


---END---

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