最高のお返し




「ホワイトデーか・・・僕は何も用意してないな」


すっかりホワイトデーだということを忘れていたフィン
まだ片思いなルナからのチョコをもらった
もちろん多くの男性陣に渡しているので誰が本命なのかは
フィンには、わからなかった


「いっそ・・・告白がお返しなんじゃないか?」


「うわぁっ?!」


ぶつぶつ言うフィンにとなりに座っていた
ピアーズがニタニタ笑いながら提案を持ちかける
そんな唐突に声をかけられたことに驚いてフィンは
椅子を転倒させかけた


「ちなみに俺もルナからもらってるし、隊長も持ってる」


「・・・・ですよね」


「誰が本命かわからないのはもどかしいが、もうここは自分で決めるしかないぞ?」


振られてもいいじゃないか!と他人事のように
茶化すピアーズにフィンは余計落ち込み
深いため息と小さくうなっている

「ルナの本命・・・・かぁ」


「聞いて皆わからないだろ?意外と俺かもな」


「真面目な顔して冗談言わないでくださいよピアーズさん」


「頑張れよ、新人」


ポンっと肩をたたきピアーズは笑いながら
その場を後にしフィンは尚悩む


「でも・・・伝えないと状況はわからないしなぁ・・・・」


振られるかもしれないと思うと
なかなか思うようには行動できない
ホワイトデーのお返しも今手元にない

バレンタインデーの3倍のお返しを求める女性
ルナもそうだったとしたらフィンはため息しかできなかった

お昼休みに買いに行こうか悩んでいると

「フィン?」


「ん?!ルナ?!」

予想外な人物が自分の部署に来て声をかけられたことに
驚くフィン
噂をすると影ということ


「なんでそんなに驚くのかな?私そんなに化物に見えるのかな?」


「い、いや・・・そうじゃないんだ・・・・えっと」


「えっと?」


おどおどするフィンに
ルナは小首をかしげる、だが思うように
答えがでず考え込んでいる


「ア、バレンタインノチョコアリガトウゴザイマス!!」


「い、今ごろ?そしてなんでカタコトなの?面白いよねフィン君は」


咄嗟に出た言葉がソレで恥ずかしさだけが
込上がり顔を赤くするフィンに
クスクスと笑っているルナ

「う・・・でもお返しがないんだ・・・ホワイトデーってこと忘れてて」


「いいよいいよ!!お返しなんて、お返しが欲しくて配ってたわけじゃないから」

気を使わせちゃってごめんなさいと謝るルナに
フィンは違う意味で拒否をされてる感じがして
ルナの目の前でガクンと肩をさげている


「あ・・・あれ、なにか気を悪くさせちゃったかな・・・」


「ううん、いいんだ・・・」


「フィンくーん、おーい」


「僕のチョコなんて・・・お返しなんていらないもんね」


ぶつぶつとつぶやいてはひとりで納得するフィン
どうしたらいいのかルナはおどおどとして
フィンの前にしゃがみこんだ



「フィン君のお返しなら欲しいけど、ないものをせびったってしょうがないって意味だったんだけど・・・・」


「え?」


自分からのお返しが欲しいけどないならこれ以上の催促はしないように
していたルナ
言葉の綾というもので、ルナは苦笑していた
フィンはその言葉にパッと顔をあげればルナは苦笑からニコッと
微笑んだ


「でもね?お返しはチョコじゃなくていいんだ・・・」


「どういうこと?」


「うーん・・・欲しいモノがあってさ」


「なにが・・・いいの?」


欲しいものがあるというルナにフィンは
心なしかブランド品じゃないのかだとか色々考えて
今予算いくらあるっけ・・・と脳内で考えていた


「フィン・マコーレーが・・・ほしい」


「え?!俺?!!」


思わず叫ぶフィンに周りがこちらに視線をむけると
ルナは人差し指で
フィンの口にもっていき「シーッ!」と口をつむらせた
口はつむったものの目を見開いている


「本当にボクでいいの?」


「うん・・・・」


ルナからの告白にドキドキしているフィン
まさか自分が本命だったとは知らなかったのか
いまだ驚いている


「ボクはルナが好きだから・・・ほしいならあげるよ」


「ほんと?!最高のお返しだねっ!」


「うわぁっ」


嬉しさのあまりにフィンに
ガバッと抱きつけば再び椅子ごと倒れかける

体勢を整えたら
ルナを抱き返すフィンだった

人前だということを嬉しさのあまり
すっかり忘れている二人は後に話題とされる


---END---





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