当然それはご褒美でしょ



「お返しないなー・・・」


テーブルに向かい書類を整理しながら
ルナははぁ・・・とため息をしながらトントンと書類を整える


「たくさんの男の人にあげたからきっと1人ぐらいは・・・」


そう、バレンタインデーではチョコを
U.S.S部隊や、同じ部署、研究員などとたくさんのチョコを
ばらまいていたのでお返しがあるんじゃないかと
期待をしていたが夕方になっても誰ひとりお返しをしようとする
人がおらずしょぼくれていた

「もうすぐ定時なんだけど・・・」

ガサっと書類をファイルにとじ
棚にしまい、コーヒーを飲みに給湯室へと向かう


「あれ・・・ハンク」


給湯室にはハンクがコーヒーをズズっと飲んでいたところを
遭遇した

ルナは思わぬ人物に出くわしたことに
驚いていた


(そういえば・・・ハンクにはチョコ渡してなかったっけ・・・)


他の男性陣にはチョコをホイホイあげていたが
本命であるハンクには渡せずに家でハンクにあげるはずのチョコを
自分が食べたことを思い出した


「どうした、入ってこないのか?」


入口でボサっと立つルナに
入らないのか質問を投げかけるとルナは
ササッっと中にはいり紙コップを取る


「任務終わったんだ?おつかれ」



「あぁ」



「ひとりなの?」



「あぁ」



「そっか」



会話が思うように続かないのはハンクが
単発でしか話さないからか、ルナは次は何を話せばいいか
頭で考えながらコーヒーを注ぐ


だが、思うように見つからず
沈黙だけが続く


「チョコのお返しはどうだ?順調か?」


「っぶっ!・・・」


思わぬ会話の展開に飲んでいたコーヒーを
思わず吹き出してしまったルナは手を震わせながら
こぼれたコーヒーを布巾でぬぐう


「どうして、急に」



「ホワイトデーだろ?」



「残念ながら惨敗ですよ、なんもお返しはないです」


傷口をえぐるかのようにハンクは
喉を鳴らしながら笑いをこらえていることがわかると
ルナはムッと口をへの字にする


「そのくせ、俺にはチョコなかったしな」


「・・・何、ほしかったの?一番欲しくなさそうな顔してたじゃない」


そんなことは嘘だ
本当はハンクにあげたくてしょうがなかった・・・その気持ちを
押し殺してルナは苦笑を浮かべる


「お前からなら受け取っていたさ、お返しは3倍でもよかったぐらいだ」


「う、うそだぁー」


「嘘を言ってどうする」


真剣な表情で応えるハンクに
ルナは当時のことを思い浮かべると後悔だけが残る


「ごめん、本当はあげるつもりだったんだけど、食べちゃった!」


「・・・・」


えへへっと笑いながら心の奥底で
「馬鹿だな自分」と思っている

ハンクはそのままルナに近寄り


「ふごぉっ・・・はひほふふー!!!」


ルナの両口端を指でひっぱるせいで
うまくしゃべれずまぬけな発言になる

「何を言っているんだ?」


「ひゃへほーーー!!!はんふー!!」


「何言ってるかわからんな」


「ふふへー!!!」


ハンクは笑いながら手を話せば
ルナは涙目でハンクをにらみ「ケホケホ」とむせていた


「痛いじゃないかー」


「お前が悪いんだろう?オレ意外の男にチョコを渡したんだ」


「うぅ・・・ごめんなさいー」


「まぁ、いい罰として俺の女になれ」


ムスっとした表情を浮かべてすぐ
不敵な笑みを浮かべてはハンクはそういう

ルナは衝撃的な一言に
ついつい口元が緩み


「それ罰じゃないよねーご褒美だほへへーーーっひゃへほー!」


喜びの言葉は途中で再びハンクの手により
間抜けな言葉を喋らざるを得ないルナは

ひぃひぃ言いながら
ハンクをバシバシと叩いて抵抗を試みるが

「痛くも痒くもないな」とクスクス笑われて
悔しさMAXなルナさんでした


---END---





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