#その少女、安堵



あれからどれだけの時間がたっただろう・・・
ルナは空を見あげながらぼーっとしている

愛人の子だと真実をつきつけられ
あまりの衝撃さにルナ自身の気持ちも整理がつかないでいた

「ルナ、そろそろマシャフに戻るぞ」

「はい・・・え?」


そこへアルタイルが馬を引きながら
迎えに来た
ルナはコクリとうなずくと同時に馬が1頭しかいないことに気づく

「どうした?乗るんだ」


「アルタイルは乗らないの?」


「乗るさ、2人乗りだ」


「ひゃっ!」


ルナを乗せると間髪いれず
ルナの後ろに乗るアルタイル


「さぁ帰るぞ」

「〜〜〜〜っ」


抱え込まれる形になっていることに
ルナは顔を真っ赤にさせ声にもならない悲鳴をあげていた


「照れているのか、かわいいやつめ」


「ば・・・ばかぁああっ!」


頭をひと撫ですればルナは顔を真っ赤にさせたまま
ぷんぷん怒ればアルタイルの口角があがる

「ほら着いたぞ」


「あ・・・」


マシャフへたどりつくと
窓から大導師がルナ達の姿を確認すると
バンッ!と大きな音をたてて窓を叩いた


「おじさまが・・・」


「ふん」


馬をおりムアリムのもとへと向かえば
「アルタイル!!!」という大声が響いた
周りのアサシンたちも耳をおさえるほどに・・・



「ルナに・・・わしの愛孫に・・・・けしからん!」


「2頭でくるより安全だからだです」


アルタイルが正論を述べれば
ムアリムもぐぬぬ・・・と押し黙った


「おじさま・・・」


「あぁ。。。何もされなかったか?」


「え・・・ええ」


心配そうにルナの肩をつかみ
頭をさすればルナは「大丈夫ですよ」とムアリムを安心させる





「ロベールの件は聞いたぞ、ワシからも説明しておらんかった・・・すまんかったのぉ」



マリクから伝書を受け取っていたムアリムは
「どう説明をすればよかったか迷っておったんだ・・・すまない」と
二度も頭をさげるとルナは首をふるふると振った


「いいえ、もう大丈夫です・・・そりゃショックでしたけど」


「孫娘を泣かせるとは・・・処罰に値するな・・・ふむ」


「お、おじさま?!」


いくら愛人の子だとはいえ実の父親なのには変わりはない
ムアリムの処罰といえば「暗殺の対象者」ということになる

必死にルナはムアリムを止めにかかった


「だ、だめです!!殺しちゃだめです!!!」


「ルナ・・・あぁ。。。なんて慈悲深いんだ・・・」


「暗殺はしないが反省はしてもらう」とムアリムは
そう言い終え、机へと足を運んだ


「孫ばかというのか?このじじぃは・・・」


「ア、アルタイルってば」


「弟子よ、今なんと言ったんじゃ?え?」


下を向いていたムアリムがアルタイルをみやる


「とんだ孫バカじじぃだって言ったんだ」


「・・・師範を降格される覚悟はあっての発言か??弟子よ」


「職権乱用だな、大導師である身でありながら大人気ない」


「なにを〜」とお互いの目はバチバチ火花がたつ
ルナはただその光景に「また、はじまった」と肩を落とす反面

いつも通りの光景にほっとしていた





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