忘れてしまえばいい
bookmark


「・・・・うっ・・・・ひっく・・・」



「ルナ・・・・・」



「マリク・・・・うっ・・・」



「泣くな・・・・」



わかっていた、ルナがアルタイルに想いを寄せていたことぐらい
いつなんどきも離れず傍にいたからこそ
ルナはアルタイルに恋をしてしまったということも


だがそんなある日
そのアルタイルに振られてしまったようだ・・・

アルタイルはマリアと結婚したのだ
想いを告げる前に振られてしまい
ルナはそれ以来落ち込んでずっと部屋で引きこもったままだ


そんなことなど知る由もないアルタイルは
今でもマリアと幸せに過ごしている



「マリク・・・私・・・わたしっ・・・」


ゆっくりとルナを抱きしめれば
ルナもそれに応じて抱き返しオレの胸の中で泣いている


両手で抱きしめてやれないのが
心元ないが・・・



オレはルナが好きでしょうがなかった
いつもアルタイルのそばにいることが気に入らなかった
だが、ルナが幸せならそれでいいんだって割り切っていたものの

今はなんだ、アルタイルのせいで
ルナが傷つき泣いている



最低な男かもしれん、最愛の人が他の男に振られて
一人にになったことにオレは喜んでいるのかもしれない
最低な男だ



「ルナ・・・・」



「うぅっ・・・・っ・・・・」



こんなにしゃくりあげるまで
アルタイル・・・お前のことが好きだったんだぞ・・・



「もうアルタイルは忘れろ・・・オレだけを見てくれ・・・」



「ぅっ・・・・・ふっ・・・・」



「・・・好きだ・・・・愛しているんだ・・・・ルナ・・・・」



ギュッと強くオレを抱きしめる力が込められた
ルナもアイツを忘れたいのか・・・



「マリク・・・・抱いてっ・・・」



大胆な発言が返ってきた・・・
どうなっても・・・知らないぞ・・・ルナよ・・・



そのままベッドへとルナを押し倒せば
長い長いキスへと導かれ・・・・




ベッドへ深く沈んでいく・・・・










「愛しているよ・・・・ルナ・・・・」






END


prev|next

[戻る]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -