すれ違い
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エツィオがヴェネツィアに行ってもう3年となる
フィレンツェも何も変わらず時が流れていく

今も元気にやっているのか
すごく不安、エツィオとは幼馴染で
いつも一緒に居た、でもご両親が反逆者だと告られ
絞首刑に・・・それ以来エツィオは

アサシンになり
くだされる任務を着々とこなしていると聞いた
直接聞いたわけじゃない、レオナルドから聞いた


それに
エツィオには恋人がいた
私はそれを知って正直辛かったのもある

エツィオが幸せならそれでいい
そう思って秘めていた思いを押し殺してきた

もともとエツィオは女を扱うのがとても上手い
たらしだなんだって毎日私は、言っていたけど

本当は振り向いてほしかった
でも、勇気がなく私は彼に思いを告げることなんてしなかった
もう、できない・・・彼はもうアサシンだから


「ルナ、こんなところにいたら風邪ひくよ」


そこにはヴェネツィアにいたはずのレオナルドだった
なぜここに居るのかが疑問、もうここには帰ってこないと
思っていた


「なんで?フィレンツェに?」


「ん?あぁ・・・今開発してるものに必要なものがここに置いてあると知ってね・・・」


「そっか・・・じゃぁすぐ出てっちゃうんだね」


レオナルドがせっせと必要な材料を
箱につめていくのを私は黙ってみていた
何を作るのかは知らないけど、かなりの量だ・・・


「エツィオは元気なの?」


「ん?あぁ、もちろん元気さ!今もフィレンツェに来てるよ」


「え?本当?」


エツィオがこの街に来ている。
でもこの広い街ではエツィオを探すのは無理だ・・・

多分今頃恋人の家にいるんだろう・・・
そう思うと私の胸がズキズキと痛む・・・

自分には会いに来てくれるわけがない・・・
思えば思うほどしまいこんでいた思いが湧き上がる

「どうしました?体調でも・・・」

「いえ・・・なんでもないです」

不安そうに見つめるレオナルドが
荷物を置いてフラフラする私の肩に両手をつかみ支えてくれた

「お昼の時間ですし、お腹でも減ったのかな?」

「そうかもしれません」

はにかむレオナルドを見て私も
それにつられ笑う

「さて・・・ある程度揃ったし行くか」


「もう行っちゃうの?」


「そうだよ、明日には作業とりかかりたいしね」


重そうな箱をよいしょと持ち上げて
船置き場までテクテクと進もうとする

あきらかにレオナルドだけでは
持ち運ぶのは辛い・・・一緒についていけば
エツィオの顔だけでものぞけるかしら

「私も手伝います」


「あぁ、ルナさんじゃ・・・重くて運べないですよ」


「気にしません、怪我でもされたら困りますし」


そう言って私は荷物を1つ取り上げて
共に目的地まで運ぶ


「よし、この辺で大丈夫だ」


船に荷物を乗せていく
でも会いたいエツィオの姿は見当たらない・・・
エツィオとレオナルドは別行動なのかな


「エツィオは?」


「もうくるはずさ、何だい?エツィオに会いたかったのかな?」


「まぁ・・・幼馴染だし、元気かどうかだけは・・・」


「じゃぁここで待つといいよ、ボクは運んだもの船の一室に運ぶから」


そういってレオナルドは荷物を奥まで運びだす
私はエツィオがくるのをただひたすら待っていた


しばらくして


「あ・・・あれ、ルナこんなところにいたのか?」


「エツィオ・・・」


少し驚きながらいうエツィオは
私の前まで歩いて立ち止まる


「ずっと探していたんだ、まさかこんなところにいたとはね」


「恋人のところに行ったんじゃないの?」


「本当に好きな人は別にいて・・・」


「別れを告げに?」


何股なのよ一体こいつは・・・
呆れてものがいえなかった。。。本当に好きな人って
一体だれなのか・・・それも気がかりだ・・・



「それもあるけど、ルナに会いたくてね・・・ずっと探していたんだ」


「なんで?」


幼馴染だから?

それは私も同じか・・・でも私は今でもエツィオが好きなんだ
だから会いたいという気持ちは一緒でも区分が違う


「本当は・・・ずっとルナが好きだったんだ・・・」


「何言ってるの?ついさっきまで付き合ってたんじゃない?彼女と・・・」


だから女たらしなんだっていつも思う
なんで前から好きなのにその女と付き合っていたの?

エツィオが言うことが
信じられないでいる


「てっきり・・・ルナはレオナルドと付き合ってると思っていて・・・」


「別に付き合ってなんてないわよ、あなたが恋人と一緒だからレオナルドと一緒に話したりしていただけじゃない」


はぁ・・・とため息を付く私に
エツィオは頭をポリポリ掻きながら、バツの悪そうな顔をする


「まいったな・・・」


「私はずっとエツィオだけが好きだったんだよ、それをずっと秘めていたの」


「ルナ?」


「あなたが彼女とイチャイチャしてるのを見ているのが辛かったの・・・」


ずっと胸に秘めていた思いを
気づけば吐き出していた・・・とうぜんエツィオは驚いて
口を開きっぱなしで聞いている


「帰ってきてるってさっきレオナルドから聞いたけど、姿もなかったから彼女のところに真っ先に行ったんじゃないかって・・・・」


「待って・・・レオナルドと一緒にいたのか?」


「そうよ・・・偶然見かけて声かけたの」


エツィオは頭をうつむき横に振りながら
ため息をつきはじめたかと思えば
頭をガバッと上げて


「なんだ・・・レオナルドの近くにいたら会えたのか・・・」


「そうね・・・」


今聞くことなのかすごく疑問だ
真剣なのに近くにいたのかと言われたら
すべてが台無しに思える・・・今までの思いはなんだったのだろうか
聞いてくれてたんじゃないのか

だんだんイラ立ちが芽生えてくる
そんな瞬間エツィオは私を勢いよく抱きしめてきた


「エツィ・・・オ?」


「俺は・・・・やっぱりルナじゃなきゃダメだ・・・愛してる」


何を急に言い出すのかと思えば・・・
嬉しくて私はエツィオの背中に腕を回せば
エツィオもそれに応えてギュっと抱き返してくれる

彼女と分かれてすぐだというのに
私は単純だと思った・・・



エツィオの前なら単純でいいんだよね・・・


夕方に出航するらしく
それまで二人でフィレンツェをブラブラと歩いていた・・・
そのまま私もヴェネツィアへと旅路にでる


---END---


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