花が咲く前に散る・・・
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「アルタイルはマリアの事愛してるのよね・・・」



ポツリと誰もいない場所でつぶやくルナ
アルタイルに想いを寄せているのだが

テンプル騎士団にいるマリアという女性に
アルタイルが惚れていると知った日にはショックがでかかった


「想いを伝える前にフラれた・・・・」


ずっと渡そうとしていたベルトを見つめながら
ため息をもらす。
アルタイルがずっと欲しがっていたベルトを
ようやく手に入れた時に知ったのがキッカケで

渡すにも渡せず
今に至るわけだが


「テンプル騎士団に願えるつもりかしら・・・」


「何がだ?」


「ア・・・アルタイル?!」


まったく気づかなかったのか
すぐ後ろにアルタイルが立っていることに気づいた
ルナは驚いて立ち上がる


「そのベルト・・・」


「え?!・・・あぁ、これね」


「手に入れれたのか・・・」


「う、うん・・・まぁね!」


早く渡すんだ!そう心で何回も思うのだが
マリアのことが気になり
見せびらかすだけ見せびらかすルナ


「それ、お前がつけるのか?」


「へ?・・・あ・・・いや・・・これ男用だし・・・」


「じゃぁ誰かに渡すのか?」


「え?・・・そのつもりだったけど」


「だったけど?」


アルタイルのために手に入れた

なんて意地でも言えないルナは、汗をダラダラと
流しながら頭の中で考える


「よ・・・嫁入り道具にしようと思って!」


「・・・・そうか」


少し残念そうにするアルタイルの表情を目にし
少し罪悪感を覚えるルナ
本人が一番欲しいと・・・そう分かっていたのに
ほしいものを目の前にされておあずけ・・・それは
犬でも辛いだろうに


「ア、アルタイルはこのベルトほしいの?」


「あぁ・・・だが手に入らなくてな」


「で、でもダメだよ!これは嫁入り道具だから!譲れないよ!」


ベルトを抱きしめて
アルタイルに背を向けると


「入手出来る場所を探すだけだからな・・・」


「・・・・・そうだね・・・」


少し期待していたのだろうか
ルナの目からうっすらと涙を浮かべていた

アルタイルはルナの隣に立ち
頭をなでれば


「・・・私ね・・・これ本当は好きな人にあげるつもりだったんだ」


「・・・」


「でも・・・先に想いを告げる前に失恋しちゃって・・・」


「・・・泣くな」


泣きじゃくるルナの頭をなでて
アルタイルはルナを自分の方へ向けると

それに驚き顔をあげれば
唇を奪われる



「・・・・んっ・・・・・ふっ・・・」



長く深いキスに
ルナは息苦しくなり訴えれば唇は、離される


「な・・・どうして・・・あの時マリアと一緒に口づけしてたじゃない。。。」


「目のゴミを見てやっただけだ・・・勘違いするな」


「・・・へ?」


なんとも間抜けな声をだすルナ
勘違いをしていたことに恥ずかしさを覚え
顔を赤くするルナ


「はやとちりだ、俺はお前を愛している・・・」


「・・・・」


「嘘じゃない、だからこうしてお前の傍に毎日現れるんだろ?」


「・・・アルタイルのバカ」


「バカとはなんだ、師範に向かってそれはないだろ?」


少しムっとするアルタイルの頬に
手を添えると
今度はルナからキスをする


「このベルト・・・あげる・・・」


「嫁入り道具にするんじゃなかったのか?」


「・・・もともとはあなたにあげるために手に入れたの!」


強引に渡すとアルタイルはそのまま受け取り
早速ベルトを付け替えると


「やっぱ出来がいいな・・・これは」


「・・・高かったんだからねっ」


「ありがとう、ルナ。このお返しは俺の愛で返させてもらうよ」


そう言ってアルタイルはルナをお姫様抱っこをし
自室へと運んでいくのだった



---END---


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