こっち向いて?(3/15)
「何考えてる?」
目の前にはハンクの顔
覗き込むように見るその顔は大人の顔だ。
「あの…………んっ」
突然柔らかい物がルナの口を塞ぐ
塞いでいた物が離れると酸素を取り込もうと息が荒くなった。
「お前がさっき何を考えてたか当ててやろうか?」
「…………何ですか?」
「『俺が女と会ってなくてよかった』だろ?」
はやりこの男には適わない…
「………はい」
*******
それからどのくらい時が経っただろうか
私はずっとハンクに抱き締められていた
「ハンクさんは私の気持ちわかってて、からかったんですね」
「すまんな………反応が可愛らしいものだから」
「今回だけは許してあげます」
「それはありがたい」
とっくの前に気持ちは届いてた
ただ、彼は不器用で、からかうのが好きだっただけ――――
*おまけ*
「ベクター、お前が先に入れよ!」
「何っ!無理だろ、スペクターお前が行けばいいだろ」
ドアの向こうでは空気を読む男達がいた。
fin*
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