私は憧れのハンクと付き合ってまだ1ヶ月
この1ヶ月何か進展があったというわけでもなく
ただ・・・いつもどおりなのです。

ちなみに告白をしたのは
ハンクの方だ、まさかの両思いで
私の胸は高鳴る一方だった。

まだデートはしてないんだけど
電話やメールぐらいはしてる。
忙しい身だからメールや電話ぐらいだけど

そんなある日
ハンクからデートのお誘いがきたのだ
それが今日の朝10時というわけ

とびっきりオシャレして私は
指定された場所に来ている
でも時間になってもハンクはこない
メールいれても返事はない
電話は繋がらない

「遅いなぁ・・・」

少し肌寒い中私は待ち合わせの
駅の高い時計台の下にいる

すると電話がなった


「ルナ、どこにいる・・・」


「え・・・時計台だけど・・・」


「まさか反対側の高い時計台か?」


それを聞いて私は焦った
今まさにその高い時計台にいるわけだ・・・
反対側ということは・・・私の反対側にも時計台が・・・


「メールに低い時計台と・・・」


「ごめんなさいっ!今そっちにむかいます!」


「いや、オレがいま向かってる」


「ごめんなさい・・・・」


ハンクがこっちに向かっているとのことなので
私はそのまま待機している
すると黒いコートに身を包んだハンクの姿が見えた


「ごめんなさい・・・私」


「いや、気にするな。何件かメールくれていたのに返事ができなかった俺が悪い」


そう言ってハンクは私にあったかいココアを
そっと渡し、手を引っ張って歩き出す

そんな少し強引な行動に私の胸が
一気に高く弾んだ

「どうした?」


「い、いえっ」

顔が熱いのが自分でもわかる
やはり仕事もプライベートも男前なんだなぁ・・・
ココアを飲む暇なんてないけど、手をつなぐ口実なのかな?
と思うことにした


「映画でもみようと思うが何か見たい映画はあるか?」

気づけば私たちのまえには
大きな映画館だった。映画館デートか・・・いいかもっ

上映中のポスターを一通りみて
何をみようか迷ったけど、あまり見たいと思わないものばかりで
でもせっかく連れてきてもらってるから
とそんな気持ちで私は映画を選ぶ

「じゃぁ・・・このティ・アモ?でいいかな・・・」


「じゃぁチケットとってくるからここで待ってろ」


女性がピストルを加えているのに衝撃を得て
それを選んだのはいい・・・いいのだけども・・・・

非常に後悔した
女スパイがー・・・というサブタイトルだったはず

なのに・・・なのに・・・
どういうことでしょう・・・


ベッドシーンしかないのです!
非常にまずい展開です。私はまともに映画をみれず
下を見ていた・・・

しかしふいにハンクの様子が気になり
横をそっと見ると


ハンクはまっすぐ映画のスクリーンを眺めている
男と女のその・・・愛を・・・・


はぁ・・・
初めてのデートでこれはないよ・・・


恥ずかしくなって私は
カバンを持とうとするとその手を止めるように掴む相手は
ハンクしかいない


「どこいく」


「トイレ・・・」


「・・・この映画のタイトルの意味・・・知っていたか?」


何を急に言い出したかと思えば
映画のタイトルの意味を聞いてきた

その目はすごく真剣でいて
正直適当に選んだとも言えない私


「・・・Ti amo、それは「愛している」という意味だ」


「え・・・・」


「ここを出よう」


そう言ってすぐハンクは立ち上がり私の腕をとり
映画館の外に出てすぐに人通りのない路地に出て
私の両肩をガッシリと掴む


「おおよそ、想像はつく・・・なぜ見たいと思った映画がないなら言わない」


「・・・その・・・申し訳なかったから・・・」


「まだ・・・遠慮してしまうか・・・」


「あ・・・べつにその・・・」


自分はとことん馬鹿だと思った
その配慮が相手を傷つけてしまうってことを・・・

顔をあげれば
ハンクは悲しそうな表情をしていた
無理もない・・・

罪悪感と愚かさに
涙がこみ上げてくる
これ以上迷惑をかけたくないと思い
こらえているが、こらえきれず涙がこぼれた


「泣くな・・・怒ってるわけじゃない」


「うっ・・・・ふっ・・・ごめんなさい」


「謝るな・・・」


余計彼を困らせる結果になり
いてもたってもいられず


「ごめんなさいっ・・・・・」


謝って立ち去ろうと
ハンクの腕を払った

だが


「どこ行くんだっ」


それはすぐに阻まれた
腕を今度はがっちりと掴まれ
身動きができない


「だって・・・・私」


「すまん・・・・」


「ふっ・・・んぅっ」


「すまん」とつぶやいた瞬間
腕を引き寄せられそのまま
唇を押し付けるようにキスをする


苦しくなり、顔をずらせば
それを許さないといわんばかりに
後頭部をホールドされ開かれた私の口の中に
ハンクの舌が入りこんできた


「ふぅっ・・・・んっ」


長く深く続くその熱いキスに
私の頭はボーッとしていた


「可愛いな・・・」

「そんなっ・・・」

「あんなベッドシーンで顔を赤くしていちゃまだお子様だな」

「あ!それ馬鹿にしてますか?!」


お子様だと言われついつい
反応してしまう私は本当におこちゃまかもしれない

好きな人とそんなシーン見ていたら
変に意識してしまうし、目のやり場に困るから

ハンクはジッと見ていたけど・・・
実際どうなのだろう・・・


お昼を食べる時に聞いたら
「ルナ以外の女には興味はないからな、気にしてない」と・・・
喜んでいいのだろうか・・・。


少しハンクのことわかった気がする


---END---

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