絶望的な脱出
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ラクーンシティの警察署に避難しろってラジオで聞いて
警察署に入ったのに



「ゾンビだらけじゃないーーーー!!!!!」


ゾンビがうようよする中で叫ぶ女は一般市民のルナ
その叫び声にゾンビは振り向きよたよたと歩き出す


ラジオにてラクーンシティの警察署へ避難の呼びかけを頼りに
ゾンビの軍勢から逃れ安心できると思えば
右も左もゾンビでもう絶望していた


当然一般市民のルナには拳銃というものは所持しておらず
ただひたすら避けるだけだった


「あぁ・・・どうすれば・・・」


ゾンビに食われて死ぬのだけは嫌だと
ぼやきながら何か武器になるものを探していると


「あ・・・あった」


ルナが見つけばものは


「ハンドガンだ・・・うげぇ・・・血まみれだぁ」


血がついたハンドガンを取り
持参していたハンカチでふき取った


「で、でもどうやって使うの・・・」

持ち上げたのはいいが
使い方を知らないため標準をゾンビに向けるも
トリガーを押してもカチカチいうだけで


「弾がはいってるのに撃てない!!!」


ガチガチとトリガーを押しまくる


「どうして、どうしてぇ」


せまりくるゾンビに後退りしかできず
ついには尻もちをついてしまった

もうだめだ・・・とあきらめた瞬間
バンバンっと衝撃音がし目の前のゾンビが横に倒れる


「・・・え・・・撃てた?」


「何してる、銃を持ってるいるなら撃て」


「え・・・」


目の前には全身黒づくめのガスマスクをつけた男性が立っていた


「あ・・・ありがとうございます・・・」


「礼はいい、さっさとどこかへ避難しろ」


そういいガスマスクをつけた男は別の場所へ足早に去ろうとする

「わからないんです。。。!!!」


「は?」


思わずルナの方に体をむけ
間抜けな声を出す



「その、銃とかはじめてで・・・弾はあるようなんですけど。。。。」


「引き金を引くんだ、ゾンビは頭をうちぬいたくらいじゃ死なん、足止め程度にしておけ」



引き金?へ?っとわたわたとハンドガンをくるくるさせているルナに
溜息をもらす、しかしこの男もまた時間がない


ジジッと無線のノイズが聞こえ
”何しているハンク、遅いじゃないか”

「玄関が封鎖されている、迂回路を探す」

”気を付けろ、上の奴らが、ラクーンシティへの滅菌作戦を命じた、早くしないとあんたも消されるぞ”


「わかった」

無線のやり取りを終えるとハンクと呼ばれた男は
マシンガンに切り替え迂回路を探そうと走りだすが

「ちょっとまって私もついていきたい!」


「死ぬ気か」


ということはついていってもいいってことね!と都合のいい解釈をし
ルナはハンクの後ろについていく


「えぇ、ハンクって言ってたよね、わたしはルナ!よろしくね」


「・・・・・」


「警察の人???それともS.T.A.R.Sの人??」


「・・・・・」


何を話しかけてもハンクは口を一切開くこともなく
淡々とゾンビらを打ち邪魔者を排除していく
ルナもしばらくして黙ってハンクの後ろについていく


”ハンク!時間がない!”


「行け、ナイトホーク、離脱しろ」


”置いていくわけにはいかない”


切羽詰まった無線の向こうの男ナイトホークに
ハンクは離脱することを告げた


「え・・・離脱させちゃうの?」


「ここは戦場だ、運命は自ら切り開け」


”ちくしょう”


そういうと聞こえていたヘリコプターの音が徐々に遠ざかっていく


「つ・・・つまり私たち消されるんだ・・・」


「さっきからうるさい奴だな」


「だ・・・だって・・・うぅ」


ヘリコプターの音が聞こえなくなると
ルナは「終わりだ」とぼやくようになった


それでもハンクは前へ進むので
ルナもなんだかんだで彼の背中を追いかけていく



「ゾンビに食いちぎられて死ぬより、死んだことすら気づかないままの方がいっそ・・・」


「楽観的すぎだな」


「な、なによ・・・死ぬの平気なの??ハンクさんは」


フッとガスマスクごしではあるが
笑ったのが聞こえたような気がして

ルナは少しきょとんとハンクを見上げた
しかしハンクは目の前に立ちはだかるゾンビどもに
銃をむけてるだけだった


「気のせいかな・・・」


「正門だ、急げ」


「あ・・・はい」


警察署の正門を足蹴りし開けると
あたりは火の渦

ヘリコプターの姿がなく
これからどうするのかとハンクを見ていると



遠くからヘリコプターの音が聞こえだし
どんどん近づいてきた


「あ・・・」


「なぜ戻った」


”死神に会いたくなった”


「うおぉ・・・ヘリコプターだー」


「子供かお前は・・・」


初めてみるかのようにヘリコプターを見上げ手を振ると


”生存者か?死神も案外お人よしなんだな”


「勝手についてきたんだ、乗せるか?」


”感染してないならな、始末書もんだぞ?”


「おぉヘリコプターに乗れるの?!わー」


ぴょんぴょんと跳ねる姿を見てハンクは
深いため息をついた


”元気なお嬢さんなことで”



そのままヘリコプターに乗ると
ルナはそのまま眠りについた


「ヘリコプターに乗れるとはしゃいでたわりには寝るんだな」


「ゾンビに追われなくて済んで安心したんだろ、後ろでぎゃぁぎゃぁうるさかったからな・・・」


「死神もまた人の血が通ってるんだな、驚いた」



ハンクはフっと笑い目の前で眠るルナの頬をなでた









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