間違
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「ハンク・・・もう疲れた・・・」


「重いっ!もたれかかるなっ・・・それに俺はんぐぅぅっ?!


両手で必死にもたれかかる女をはがそうともがくが
それも失敗し腹上にドスンっと体重がかかりうめき声をあげる男


「・・・・・」



「お・・・おい、ルナ!おい!」


「うーーーん・・・・あったかい」


「あのな!」


「・・・・・・」


おもいっきり立ってルナと呼ばれる女を床にでも転がそうとしたが
その男の目の前には


「ベクター・・・しばらくそうしてやってくれ・・・」


「だ、だが・・・ルナはマスターの女だろ・・・」


「無理に起こす必要もない」


ハンクはそう言い残しすっと立ち上がる
ベクターは動揺を隠せず「どこにいくんだ・・・マスター。ルナはどうするだ」
と訴えるがそれを無視し待機室をでていった




「ッチ・・・どうしてこうなるんだ」



「んー・・・」



「んなっ・・・」



ルナがベクタに覆いかぶさる状態になっていて身動きがとれなくなっているベクターをよそに
ルナは腰に回した腕の力を強め抱きしめる


「だから・・・・やめろって・・・・」

身動ぎすれば抱き着く力を弱め再びくたっとする
溜息を洩らししばらくそのままハンクの言う通り起きるまで待とうとしたが

「ハンクー・・・・」


「ダメだ・・・もう我慢できない・・・起きろ、起きろって・・・」



ゆさゆさとルナの肩を揺さぶると


「んっ・・・う・・・あ、あれベクターじゃん。。。。どったの・・・」


「どうしたの?じゃねーんだよ!いいからどけよ」


「あ、あぁうん・・・ごめん」


ゆるゆるとベクターから離れるとベクターはすっと起き上がり
大きなため息をついてルナから少し離れる


「どうしてマスターと俺を間違えるんだ・・・ったく」


「ごめんね、疲れてて・・・はっきり見えてなかった・・・かも・・・」


「かも?いやいや・・・しかしお前よりによってマスターを目の前にして間違えるとかな・・・」


そういうとルナの顔がみるみるうちに青ざめていく
ベクターはぼさっとしてないでさっさとマスターのところへいってこいと
ルナの背中を押し出すとルナはあわててハンクを探した


「うそ・・・うそうそうそうそ!!!」


大きな独り言を言いながら通路を駆け巡る
給湯室、ハンクの部屋、庭すべてめぐるがハンクの姿は見当たらない


「うー・・・やらかした、完全にやらかした!!!ばか!!」


ドンっと自室の部屋を開け
ベッドにそのままダイブすると


「ングッ・・・」


「へ?」


なりふり構わずダイブしたため
ベッドに人がいることは想定していなかったルナ



「・・・・ルナ」


「ハ、ハンク?え?え?なんで・・・なんで?」



思わぬ人物が自室のベッドにいるため
驚愕して正常に言葉を発することができないでいた


「・・・・・」


慌てるルナにかける言葉もないハンクはだんまりと
ルナを見つめている


「・・・・・」


「あ・・・あ・・・あの・・・ベクターから聞いた・・・ごめん・・・」


「疲れていたんだろ?」


「え・・・うん・・・」


いつになく冷たく低い声でルナに言い放つ



「俺とベクターの判別ができないぐらい疲れていたんだろ??」


「・・・ご、ごめんなさい・・・」


「・・・・」


はぁ・・・とため息をつき
ハンクはルナに隣に座るようベッドをトントンと叩いた

ルナはそれをみて黙ってハンクの隣にすわった


「ルナ・・・」


「・・・・はい・・んぅっ・・・」


名前を呼ばれ返事とともにハンクを見ると
首に手をまわされそのまま唇を重ねられ

何度もリップ音とともに唇を重ねあい
徐々に深いものへとかわっていく


「・・・・はっ・・・ハンク・・・」



「お前はつくづく・・・」



「え・・・」



「バカなやつだな・・・」


そっとルナの頭をなでてやると
気持ちがいいのか目を細めるルナに
ふ。。。と笑った


「次はないぞ・・・疲れたとしても俺と間違えたら許さんぞ・・・」


「いっ・・・」



そういいルナのおでこにデコピンをし
本気で痛がるルナにクスリと笑った






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